給食には牛乳・・
小学校の頃、給食で毎日牛乳が出ていました(30年以上前の話)。揚げパンの日には美味しく飲んでいましたが、ワカメご飯の日などにはどのタイミングで飲んだものか頭を悩ませたものです(他に頭を使うところもなかったので)。さすがに今では給食に牛乳を出すことないのだろうと思っていましたが、子どもが小学校に入り、給食で牛乳を吹き出してしまった友達がいるという話から、毎日牛乳が出されていることを知りました。
私の小学校の同級生のA君は、牛乳を飲むとお腹がゴロゴロしてその後はトイレでしばらく過ごさなければいけない体質の持ち主でした。今にして思えば乳糖不耐症なのでしょうが、その当時は変わったヤツだなあとみんなに思われていました(ごめんね)。
そこまでひどくはなくても牛乳でお腹の症状が出る子は少なからずいます。また高学年になるにつれそういった症状が出てくる子が増えてきます。それでも給食で出された牛乳は飲まなければならぬという雰囲気があります。かわいそうに・・・。
牛乳が健康的な食品であるという刷り込みが長らく(そして多分今も)学校給食を通して行われていたため、その考えは幅広く、根強く浸透しています。先日受診された高齢の糖尿病患者さんも「おれは風呂上りはビールじゃなくて牛乳なんだ。かわいいだろ?」と笑っていました。その一方で、ネットなどではその健康的効果に懐疑的な意見も数多く見受けられます。ただそこには乳糖やカルシウムだけでなく、牛の飼育や牛乳の殺菌法、果ては生物学的に?ヒトがウシの乳を飲んでも良いのか、と言うところまで多岐にわたります。
どうやら乳製品が体に良いというのは正しいようです。21か国で、乳製品の摂取と死亡率や心血管病(脳卒中や心臓病など)との関係を調べた研究結果が最近発表されました。これによると乳製品の摂取が多いと、心血管病の発症や死亡率が低くなっており、心血管病以外の死亡率も低くなっていました。この結果は特に牛乳とヨーグルトについて当てはまり、チーズやバターでは効果は見られていません。これはおそらくはチーズやバターに飽和脂肪酸や塩分が多いためでしょう。
牛乳が骨折の予防に役立たないという研究結果も今までに出されていますが、これで全く無駄ではないと言えそうです。ただどんなにかわいく飲んだとしても、飲み過ぎれば糖尿病は悪化し、お腹も少し緩めになるかもしれません。