風邪に効く薬?
都心は雪こそ降らないものの、風の冷たさが身に染みるこの頃です。インフルエンザだけでなく風邪も多い時期で、体調を崩す人も多いのではないでしょうか。風邪やインフルエンザに罹るのは「気の緩みからだ」という人がいますが、罹ってしまうものは仕方ありません。
外来で診察していると、風邪に対して「強い薬をお願いします」と言われることがしばしばあります。辛い症状は早く治したいし、そのためにわざわざ病院に来たのだという気持ちはよくわかります。こちらとしてもできることなら早く治してあげたいと思います。しかしこれに関してはなかなか期待に応えるのは難しいものがあります。
風邪はそのほとんどがウイルスによるものです。ウイルスは動物などの細胞に取り込まれることで増殖したり悪さをしたりするもので、細菌とは全く形も性質も異なるものです。つまり治療する場合も細菌とは全く異なり、抗生物質(抗菌薬)は効果がありません。ではウイルスの治療薬を風邪に使えば良いのでは、と考えるでしょうが、残念ながら今のところそのような治療薬は流通していません。
ただしインフルエンザについては別です。インフルエンザは診断できれば治療薬がありますし、人にうつすことも少なくできる可能性があります。その点でインフルエンザを早めに診断する価値はあると言えるでしょう。
どのようなものであれ休養することは大切です。調子が悪いと感じたらまずはゆっくり休めるように時間や生活をコントロールしましょう。