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院長ブログ

ワクチンを打たせないなんてもったいない!(2019.03.06更新)

米国で、母親にワクチンを打たせてもらえなかった高校生が、その体験とワクチンの大切さを公聴会で語ったという記事を目にしました。米国では2歳未満の子どものワクチン接種率が低下傾向にあり、そのために今回のはしかの流行のような、本来防げるはずの感染症の流行を招いていると考えられています。
子どもにワクチンを打たせないというのは、親の意思によるものです。しかしそのために不利益を被るのは子どもであり、周囲のワクチン接種ができない人(免疫不全や免疫抑制剤投与中、アレルギーなど)です。もちろんほとんどのケースに悪意などあるはずもなく、ただそう信じてしまったからというだけなのでしょう。
ワクチンを打たないという決断に至る理由は、副作用が心配、ワクチンの添加物が心配、効果がわからない、医療自体が信じられない、といったものが大半のようです。途上国などでワクチンが広まらない一つの原因として、ワクチンにより気が狂うとか他の病気になってしまうといった噂が出回るためというものがあります。欧米や日本などで、ワクチンを打たない方が良いとする人が根拠にするのも基本的にはこれと同じようなものですが、ただ近年はインターネットを介してより広く拡散されてしまいます。
試しにインターネットで ”ワクチン” ”自閉症” などという組み合わせで検索してみると、不安を煽るようなサイトがこれでもかというくらい出てきます。内容は基本的にお粗末なもので、医学教育を受けていたり、他の分野でも研究や論文執筆をしたことがあるような人であれば、まず信じてしまうことはなさそうな代物です。しかしワクチンへの不安に駆られて調べてしまった人には、すばらしい模範解答を見つけてしまったような気にさせられるでしょう。さらにワクチンが悪いものだろうと思って検索を進めれば進めるほど、その思いは確信に変わっていくということが往々にして起こります(これはワクチンに限らずどんなものでも)。
「免疫は病気に罹って自然につけた方が良い」と考えている人もいまだにいるようです。しかしこれも間違いで、病気に罹って後遺症を残したり死んでしまったりするリスクに比べてワクチンの副反応は格段に低いものです。ワクチンの方が免疫の「質」が悪いということもないでしょう。医療や衛生環境が良くなり、ワクチンが普及したため、感染症で命を落とすことが少なくなっています。しかしここで油断してみんながワクチンを打つことをやめてしまうと、本来なら予防できたはずの感染症が流行し痛い目に遭うことになります。
ワクチンを打った後に出た症状が、ワクチンと関係があるかもしれないとなった時、そちらの情報ばかりが強調されてしまうという傾向があります。政府や厚労省は科学的判断よりもマスコミなどが作る世論的なものに流される方が得意なので、ワクチン施策はしばしばブレてしまいます(日本脳炎、インフルエンザ、子宮頸がんワクチンなど)。その結果不利益を被る人がたくさんいるにもかかわらず、そこに対する責任感は希薄なようで残念です。
そうは言ってもみんな何でもインターネットで調べる時代です。せっかくなら一部のよくわからない個人や団体の代表の意見だけでなく、きちんとした組織や科学者はどう言っているかということも調べてみるといいでしょう。WHO(世界保健機構)もCDC(米国疾病管理予防センター)も「みんな打つべき」と言っていますよ。
「病気になったら学校を休めるから」とワクチン接種を渋る我が子にワクチンの大切さを説いたら、「それはわかった。ただ、まだ心の準備が」と言って逃亡(笑)。痛いもんね

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