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病と気の持ちようの関係

[2021.03.26]
自分は病気になどならない、と信じて健診すら受けない人が大勢いる一方で、何かの病気になるのでは、と常に心配している人もいます。そんな人たちは時々クリニックに来て、あれこれと相談していきます。必要なら検査もしますが、多くの場合話しているうちに不安は解消するようです。中には何かしらの症状を抱えてやってきたのにもかかわらず、話をしただけで「良くなった気がする」と、帰っていく人もいます。 「病は気から」と言うように、こういった不安が大きい人や悲観的な人は病気になりやすいということが一部は言えるかもしれません。しかし実際のところは、病気に対して神経質であると健診を含め医療機関を受診することが多くなり、結果的に病気の早期発見・治療につながることもあるようですので、一概にどちらが良いということはできないようです。 薬の効き方にも、気持ちは影響してくることがあります。「これはよく効くよ」と勧められた薬やサプリは、ある意味本当によく効くものになり得ます。それが本物の薬であれば、効果があるのは当然と言えますが、効くという思い込みにより、本来以上の効果をもたらすこともあります。 面白いことに「効く薬」だと言って飲まされると、それがアメ玉であっても効果が認められることがあります。それも少なからず。薬や治療法を開発したときには、それが本当に効果的かどうか、また安全かどうかを試すために必ず何度も試験をします。薬であれば本物の薬と偽薬を用意し、医者も患者もどちらを飲んでいるかわからない状態で効果を判定します。本物の薬の方が良くなった人が明らかに多ければその薬は本当に効くと言えます。本物の薬を飲んだ人だけに効果が現れ、偽薬の人には一切効果が現れなければ話は簡単です。しかしどんな薬や治療法の試験でも、必ず偽薬をあてがわれていた人の一部に、きちんとした効果が現れてしまうのです。本人は本物の薬を飲んでいると思い込んでいるのですが、その思い込みのなせる業なのでしょう。 過敏性腸症候群という、ストレスで悪化しやすい病気では、腹痛や下痢、便秘といった症状が続いてしまうことがあります。これに対する治療の試験結果をまとめて評価した論文によると、いわゆる偽薬群でも4人に1人は症状が良くなってしまうのだそうです。片頭痛の薬の試験結果でも偽薬群の3割ぐらいは症状が改善しています。このあたりの病気はストレスなど精神的な要素が病気に大きく影響するので、こういった結果もなんとなく頷けます。面白いのは花粉症の薬の試験でも、偽薬群の3割ぐらいは症状が軽くなったと報告することです。 かつて花粉症がつらいとこぼした時に、「気合が足りないからだ!」と(誰からとは書きませんが笑)怒られたことがありますが、あながち間違いでもなかったのかも・・。
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