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お腹周りは一緒でも・・

[2017.05.20]

今年も欧州肥満学会に参加してきました。肥満を研究、治療している医療関係者が世界各国から集まり活発に議論をしています。今や肥満は欧米だけの問題にとどまらず、アジア諸国でも大きな問題となってきています。知っての通り欧米人は見るからに体の大きな肥満者が多いですが、日本人を含むアジアでは欧米人ほどではないが体重が多く、そのために糖尿病などの健康障害を持つ人が非常に多くなっています。
日本では近年、特に若年女性の痩せが増えていると問題視されています。モデルなどメディアに出てくる女性が皆スラっと、ともすれば必要以上に細身の体形をしていることが大きく影響していると考えられます。この若者の瘦身への願望は欧米でも同様のようですが・・。しかしその後は年とともに男女とも体重が増えていきます。就職をして運動する習慣がなくなる、結婚して家で美味しいご飯をたくさん食べるようになる、妊娠出産や子育てをきっかけに自分のことにかまっていられなくなる、などなど理由はいろいろ考えられます。一度体重が増えてしまうと減らすのは極めて困難です。ダイエットして一旦は体重が減っても、またすぐに戻ってしまいます。そしてそのまま中高年に差し掛かり、または高齢となり、糖尿病や肥満といった問題を抱えることになります。
近年は健診でお腹周り(腹囲)を測るようになっています。これは腹囲が内臓に付いた脂肪量を反映しており、この内臓脂肪が高血圧や糖尿病、心血管病を引き起こすという考えからきています。しかし実は腹囲が同じでも、年齢が違うと内臓脂肪量は同じではないことが指摘されています。男性でも女性でも、年齢が高くなるほど同じ腹囲でも内臓脂肪量は多くなるのです。つまり健診で10歳下、20歳下の後輩と腹囲が一緒だったとしても、全く安心できないということです。
また腹囲は85㎝(または90㎝)まではセーフで、それを超えたらアウトというものではありません。値が高ければそれなりのリスクはあるものです。こんなことを知った上で健診の結果をもう一度見直してみると良いかもしれません。

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