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お風呂

[2017.11.20]

寒くなってくると温かいお風呂にゆったりつかることが一段と楽しみになります。毎日浴槽にお湯をためて入るという習慣は海外にはあまりないようで、日本独特の文化と言えるかもしれません。この季節には、インフルワクチンを打った人や風邪を引いた患者さんに「お風呂は控えた方が良いですか?」とよく聞かれます。以前の日本家屋ではお風呂が離れにあったり、そうでなくても浴室がとても寒かったことや、入浴が体力を消耗するといった考えなどから、そのような時には入浴を控えるべきという考えがあったのだと思います。夏場とは違ってそれほど汗をかく季節でもありませんし、嫌なら無理してお風呂に入る必要はもちろんありません。しかし清潔にすることは大切なことで、体を冷やしてしまうことや長時間になることを避ける限り、入りたければ構わないと思います。
確かに入浴は安全なものではありません。毎年5千人以上の人が入浴中に溺死していますし、それ以上の数の人が心臓発作や脳卒中を入浴中に起こしています。このうちのかなりのものは、浴槽に入らずシャワーで済ましていれば起こらなかった可能性があります。熱いお湯に入る、またはお湯から出るということは、体に急に大きな変化を起こす可能性があります。浴室や脱衣場が寒ければなおさら大きく影響するでしょう。また水がある場所というのは、それ自体が転倒や溺死を招く恐れがある場所ということも言えます。さらにお風呂は大抵一人で入るため、何か起こっても見つけてもらうまで相当な時間がかかってしまいます。
それでもやっぱりお風呂に入りたいという人は多いでしょう。いろいろなことに注意しておけば、危険性はある程度減らせるはずです。お湯の温度を高くても41℃までにする、浴室だけでなく脱衣場も暖房器具などで良く温める、滑り止めや手すりを設置する、家族に一声かけてから入る、暖かい日中に入る、といった工夫をぜひ考えてみてください。

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