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ごはん屋さんは禁煙に

[2017.12.28]

電子タバコをくわえている人をたくさん見るようになりました。普通のタバコに比べれば出る煙の量は格段に少なくなっています。今まで普通のタバコを吸っていた人が電子タバコに変える心理はよくわかりませんが、それでも一部には健康への影響が少ないことを考えているのだろうと思います。診察でも電子タバコが体に無害なのか聞かれることがしばしばあります。
残念ながら電子タバコにしても、無害ということはないようです。電子タバコで吸ったり吐いたりする空気の中には、煙としては見えなくてもやはり相当量の微小粒子が含まれていることが示されています。つまり本人の体の害だけでなく、副流煙として周囲にも害を及ぼすことにも変わりはないということです。タバコの煙には有害物質として有名なニコチンやタールの他にも多数の有害な化学物質が含まれています。電子タバコでもそういった物質はやはり出てきていると考えられます。見えないから大丈夫、ということではないのです。その意味でも、喫煙不可という場所では電子タバコも許されません。
もともとタバコを吸っていた人は、電子タバコにしても普通のタバコと併用する人が多いそうです。味の違いや煙を吐き出す感覚の有無のためなのか、実際のところはよくわかりませんが、少しでも健康になりたいというのであれば喫煙自体をやめる以外に選択肢はありません。
喫煙者は電子タバコを喫煙のうちに入らないと考え、吸わない人は電子タバコも喫煙と捉える傾向にあるようです。煙は見えませんが有害物質を吸ったり撒き散らしたりしている意味では喫煙と同等と言えます。問題はこれから成人になる若者が、従来のタバコとは違って無害なものと考えることから、喫煙を電子タバコで気軽に始めてしまうことです。きっとタバコ会社はそれを大いに期待しているのでしょう。
近隣のごはん屋さんにランチを食べに行くのですが、この周辺は今どき珍しく喫煙可能なお店が多くて驚きます。そしてタバコを吸う人は、隣でご飯を食べていようが、近くに子どもがいようがお構いなしにタバコに火をつけます。「タバコいいですか?」の一言すらありません。これはマナーの問題でもあります。タバコが嫌いな人、吸わない人にとって、よりにもよってご飯の最中にタバコの煙に巻かれるというのは苦痛以外の何物でもありません。せっかくのごはんが台無しです。喫煙するのであればそこまで想像すべきでしょう(簡単なことですが・・)。
店に入ってタバコを吸い始めた人たちも、自分たちのごはんがやってくるとみんなタバコの火を消してご飯を食べ始めます。周りはご飯の最中に煙を吸わされるのに、当人たちは煙のない中で食べるというのも、なんだか釈然としません。そんなに好きなら食べる間も吸い続けたらいいのに・・。
「こっちは食事中なんだ!タバコの火は消してくれ!」と心の中では毎回叫んでいますが、小心者なので面と向かって言うことはありません。お店が禁煙にしてくれるのをじっと待つ日々です(店主が喫煙者である可能性は高い)。世の中喫煙者の方がずっと少ないので、そして喫煙できるお店を避けている非喫煙者も多いはずなので、ごはん屋さんが禁煙にしても売り上げは落ちない気がしますがいかがでしょう。

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