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どのくらい歩いたらいい?

[2019.06.07]

以前にも書きましたが、1日1万歩、というのは根拠がないわりに多くの人の指標になっているようです。日本では前回の東京オリンピックの頃に運動機運が高まり、発売された歩数計の「万歩メーター」という名前も手伝って、1日1万歩というのが定着したようです。ただ日本だけでなく海外でも1日1万歩という概念はあるようなので、頑張れば到達可能なキリの良い数字ということなのかもしれません。
最近報告された、米国の高齢女性を対象にした歩数と死亡率に関する研究があります。平均72歳で4年強の観察ですが、1日7500歩までは歩数が多いほど死亡率は下がっていました。ただ7500歩を超えると歩数と死亡率には関係が見られませんでした。この研究では起きている間の歩数を観察しているのですが、平均して起きている間の半分は1分間に0歩、つまりじっとしているということでした。
高齢の方については、1万歩にこだわる必要はないのかもしれません。もちろん動ける人はどんどん動いた方が良いですが、1万歩を達成するために無理をすることはありません。可能な範囲で歩数は増やすべきですが、7-8千歩歩けていれば十分で、1万歩に満たないからとがっかりする必要もありません。それよりも長い時間じっとしていることをやめるように心がけると良いでしょう。近年はこういった動かない時間が長いことが健康を害するということもわかっています。
これからオリンピックに向けて、スポーツ界は盛り上がってきます。それに合わせて多くの運動不足の人が、「何か始めようかな」という気にもなるでしょう。とても良い機会だと思います。スポーツは見るのももちろん楽しいですが、自分でやるのはさらに楽しいものです。スポーツには相手に打ち勝つ、相手の嫌がることをする、負けると悔しい、練習すると上手になるといった要素があり、身体だけでなく頭にも刺激的のものです(そして残念ながらこれらはウォーキングにはない)。これがスポーツを続けられる動機にも繋がります。ぜひ楽しいと思うことを見つけて、そして続けてください。

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