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エナジードリンクよりもコーヒーを

[2018.07.03]

地球温暖化とともに現在のコーヒーの産地の多くで将来的にコーヒー栽培ができなくなってしまう可能性があるのだそうです。今後のコーヒー消費量がどのようになっていくのかわかりませんが、世界の人口は増え続けており、中国などではコーヒー消費量が飛躍的に伸びていることからまだまだこの先も需要は高いのでしょう。しかし新たに広大な農地を確保するとなるとコストや森林伐採などいろいろな問題が出てくるはずです。高温に耐えられる品種への改良などが期待されているようですが、まだまだ時間がかかりそうです。
ところでこのコーヒー、以前は不健康なイメージがありましたが近年ではしっかりと健康ドリンクの仲間入りを果たした感があります。コーヒー摂取と健康とに関連した医学論文が多数発表されていますが、総じて健康に有益であるという流れになっています。
コーヒーの摂取は死亡率の低下や心血管病の減少をもたらすようです。また認知機能に好影響を与えるとする論文も見られます。飲む量としては1日3~5杯というあたりが目安のようです。
なぜコーヒーが体に良いのでしょうか。確かにとてもいい香りはしますが、かなりの苦味がありますし、色なんてコーラと同じ毒々しい黒褐色です。初めて飲むにはかなり勇気のいる代物の一つです。
ご存じの通りコーヒーにはそれなりの量のカフェインが含まれています。カフェインは脳を覚醒させる方向に働きかけます。また副腎のホルモンであるコルチゾールを増やす作用も持っています。コルチゾールは生存に不可欠なホルモンですが、出過ぎる状態が続けば糖尿病や高血圧などといった病気をもたらします。ただこれらのカフェインの作用は、毎日ある程度の量を摂っていると耐性(効きにくさ)が生じると考えられます。おかげでコルチゾールなどはコーヒーを飲んでいない状態と比べて、増えもしないし減りもしないようです。
何年か前に朝一番のコーヒーは、このコルチゾール分泌に影響を与えるので体に悪いとか目覚めに効果的でないと言われたことがありましたが、これらの研究結果から考えるとその心配はあまりなさそうです。また多くの人は朝のコーヒーを、カフェインの摂取源としてというよりは味や香りを楽しむために飲んでいるのではないかと思います。ただ夜にカフェインを摂取すると、寝つきが悪くなったり夜間にトイレに起きたりといったことで睡眠の質が低下する可能性は否定できません。しっかり眠れないと寝起きもすっきりしないという悪循環になってしまいます。
コーヒーが健康に好影響を及ぼす機序は今のところはっきりとはしていません。最近の研究によると、カフェインの代謝能力の個人差は、コーヒーがもたらす健康的な影響に関係しないそうです。さらにカフェインレスコーヒーにも同様の効果が見られると報告されています。おそらくはカフェインではない他の物質による抗酸化作用などがあるのではないかとされています。砂糖をたくさん入れたりコーヒーフレッシュなるものを入れたりしなければ、やはりコーヒーは健康飲料と言えそうです(成人にとっては)。好きならば飲んでもいいよ、という程度ですが・・。
おなじカフェイン飲料でもエナジードリンクはお勧めできません。特にまだ脳が発達段階にある子どもたちが飲むことには相当のリスクがあると考えるべきです。また糖分の過剰摂取にも繋がるので、肥満や将来の糖尿病のリスクにもなり得ます。子どもにはこのようなリスクはわからず、コンビニなどで手軽に手に入るようなものなので、周りの大人が注意してあげましょう。

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