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ダイエットして損はない(もし太っていれば)

[2018.06.26]

欧米諸国から見れば圧倒的に痩せている国と見做される日本でも、多くの人がダイエットに興味を持っています。確かに欧米の基準を満たす(BMI>30)肥満者の割合は低いですし、とりわけ高度肥満の人はめったに見ないような国なので、あちら側から見ると太っている人なんてほぼ皆無という印象なのでしょう。海外の人に「糖尿病や肥満を中心に患者さんを診ている」と言うと、「本当に?」という反応が返ってきます。みんな痩せていて健康という印象があるのでしょう(日本食のイメージそのままに)。
米国では肥満者が約4割にのぼり、過体重(BMI>25,日本の基準では肥満)まで含めると4人に3人が当てはまると言います。ここ何十年かで多くの人が太ったのですが、周りの人がみんな大きくなったためか、ダイエットに取り組む人の割合は減っているのだそうです。
肥満していても血糖値や血圧、脂質といったものが問題ない(代謝的に健康な肥満)のであれば、肥満することは問題にならないと考える向きもあります。しかし最近のデータでは、こういった人たちも正常体重で血圧など代謝的な問題がない人に比べると心血管病を起こしやすいことが示されています。またこういった人たちの多くが、実際には何年かすると血圧や血糖値が上がってくるなど代謝的な異常を起こしてくることもわかっています。
肥満かどうかを言うのにBMIを用いることが通常です。BMIは体格指数と呼ばれるもので体重(kg)を身長(m)の二乗で割ったものです。統計的なものをいうのには非常に便利な指数ですが、実際には筋肉量や脂肪の量といった体の中身まで評価できるわけではありません。そのため同じ個人で20歳の時と60歳の時で同じBMIであっても、通常は筋肉量が落ち脂肪が増えているため同じ健康度ではない可能性が高くなります。これは特に閉経を挟んだ女性に顕著に言えます。
若い頃と体重やBMIが変わらないとしても、お腹周りが大きくなってきたというのであればそれは要注意のサインです。そういった場合の多くにおいて血圧や血糖値、脂質に異常が出てきます。ちょっと太めが長寿という統計は確かにありますが、だからと言ってそこで油断して好きに飲み食いしゴロゴロしているとおそらく健康寿命は短くなります。痩せすぎることはやはり不健康に繋がりますが、体重や体形が気になるようならダイエットして損はなさそうです。少なくとも健康的な食品(生野菜、果物、ナッツ、魚介類、ヨーグルトなど)を食べ、運動を続けるような心がけは大切です。

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