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ネツ、ノド、ハナに~♪ のネツに薬は必要か?

[2022.07.26]
新型コロナの流行以降、ちょっとした風邪で病院を受診する人は減ったように思います。もっとも最近では熱がありコロナかどうかが心配で発熱外来を受診する人は多くなっているでしょうが。
私たちは時々熱を出します。コロナや他のウイルスに罹っても熱が出ますし、細菌感染を起こしても熱が出ます。ワクチンを打っても熱が出ることがありますし、熱中症でも体が熱くなります。
熱中症で体温が上がってしまっていれば、体に水分を補ってあげるのと同時に体を冷やしてあげることが有効です。また、ワクチンで熱や痛みがつらい時、アセトアミノフェンなどで一時的に緩和してあげるのも悪いことではないでしょう。
では風邪に代表されるような感染症の時や、体に炎症が起こった時などに熱は下げるべきものなのでしょうか。最近の報告によれば、下げることのメリットはあまりないようです。熱が出るということは、私たちの体が感染や炎症に反応して体温のセットポイントを上げ、高熱を保つように設定しなおすことにより起こります。確かにかなりの高熱が続けば脳や他の臓器の障害を招いたり、痙攣を誘発したりすることがあります。しかし高熱を保つことには免疫を活性化し、侵入した細菌やウイルスが繁殖しずらい環境を作ることに寄与しています。
こういった発熱に対し、解熱剤で熱を下げる、もしくは物理的に体を冷やして熱を下げることが、その後の死亡や病状の悪化を防ぐことに繋がるかどうかということを調べた研究結果をまとめたものによると、残念ながらそのような効果は期待できないようです。さらに熱を下げてあげることが生活の質の改善にも寄与しないという報告もあり、どうやら発熱に対する「熱さまし」治療はあまり意味をなさないということになりそうです。
風邪をひいたら風邪薬を飲まなければならないと思っている人もいるのかもしれませんが、そんなことはありません。溶連菌の感染など極一部で抗生剤が必要なこともありますが、大半はウイルス感染であり抗生剤は効きません。また咽頭痛や咳など辛ければそれに対して薬を飲むと多少楽になるかもしれませんが、風邪薬を飲んだからと言って早く治るというものでもありません。あってもせいぜい症状が緩和されるのが1日早まるかどうかです。わざわざ高いお金を出して買うほどの価値はないのかもしれません。薬はどんなものでもアレルギーなどのリスクもありますからね。
具合が悪ければウロウロせず、家でゆっくり過ごしてください。布団に入って寝ているのが一番ですが、普段は忙しくて手に取ることができなかった本を読んだり映画を見たりするのも良いかもしれません。それにも飽きたら一人すごろくとか人生ゲームとかタロット占いでも。一人ですごろくしたって楽しくないだろ~っと思っていましたが、ウチの4歳児を見ていたらそんなこともないのかも。「すごろく一緒にやろう!」と言うから先に始めててくれと言ったら、律儀に右手と左手でジャンケンして順番を決め、サイコロをふりふりかなり一人で盛り上がっていました。あなたも少し熱があるときの方がいつもよりテンション高く、童心に帰って普段と違う遊びで盛り上がれるかもしれませんよ。
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