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マラソンは札幌で 良さそうですよ

[2019.10.21]

来年の東京オリンピックのマラソンを札幌でやることになりそうです。暑さに強い日本の選手に有利だとか、今までの準備をどうしてくれるんだとか、東京で見たかったとか言っています。果たしてこれが大多数の意見なのかというと、そうではない気もします。
まず選手のパフォーマンスについて。マラソンで完走するランナーについての研究では、温度や湿度が高くなるほどパフォーマンスが下がることが示されています。良い記録や、より良いレースは東京より札幌の方が期待できます。
次に選手のリタイアや救急搬送について。マラソンで完走できなかったランナーについての研究もあります。こちらでも温度や湿度が高くなるほどリタイアや救急搬送が増えることが示されています。ましてや東京オリンピックのマラソン予定日の東京の気温は30度越え、湿度も80%近くの予想。スポーツ学会の定める熱中症指針では「持久走など激しい運動は避けましょう」となっています笑。いや、笑い事では済まされません。文字通り命を懸けた勝負になってしまいます。オリンピックに参加するつもりの世界中のマラソンランナーはホッと胸をなでおろしていることでしょう。
マラソン選手が調整不足になることを心配する人もいるようですが、より恵まれた環境への変更であり、まだ9か月以上も残されています。今の時点で勝てる自信がなくなるランナーは皆無でしょう(いたら誰か他の人にその権利を譲ると喜ばれます)。
観客についても同様です。炎天下か、でなくても高温多湿間違いなしの沿道で、長時間観戦すれば必ず熱中症になる人が出てきます。それもかなりの数に上るでしょう。その人々を救護し、搬送し、病院で受け入れるということを考えると、やはり避けられるリスクは避けるべきと思わざるを得ません。
準備にすでに何百億円が割かれているということも言われますが、後々みんなで有効活用できるような設備投資であるべきで、一回のマラソンにしか使えないようなものにたくさんお金をつぎ込んでしまったのであれば、それこそが問題です。暑さ対策に多額のお金が必要というなら、最初から手を上げなければよかったのに・・。
マラソンだけがオリンピックではありません。東京では他にもいろいろな競技が楽しめるわけですから、マラソンは北海道で楽しんでもらった良いじゃないですか。選手にも観客にも。きっと良いレースが見られますよ。

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