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不老不死

[2018.10.09]

ヒトの寿命は経済発展を遂げた国を中心に恐ろしいほどの勢いで伸びてきました。全体としての寿命が延びたのは、主に衛生環境や栄養状態の改善、感染症治療の進歩、それに戦争がなくなるによるものと考えられます。これらにより死亡率が低下し、特に乳幼児のうちに命を落とすことが少なくなると平均寿命は長くなります。
平均寿命が40代や50代だった時代にも、長生きした人は少なからずいました。ただ限界があることは今も昔も変わりありません。これだけ生活環境や医療が整った現代でも120歳を超えて生きている人を見ることはほとんどありません。
不老不死を願う人は昔からいたようで、そういった人にまつわる逸話は数多く聞かれます。年老いた外見だけでなく、いろいろなことができなくなることも嫌なのでしょうが、最たる願いは死を避けることなのでしょう。しかしそういった人たちの願いや努力は今のところ報われておらず、死は今のところ全ての人にやってきます。
死が避けられないものだとわかっているが、できるだけ長くいきたいと願う人も多くいます。ヒトの肉体的な限界は150歳くらいまで伸ばせるのではないかという説もあり、そこまでどうにか生きられるように研究を重ねている人たちもいるようです。
ただヒトの脳は120歳がどうやら限界のようです。それが今のところ120歳を超えて生きる人がほとんどいないことの大きな要因であるようです。もちろん脳の老化の仕組みが解明され、それに抗うような治療薬ができれは話は変わるのかもしれませんが。
そんな中で私たちがすべきことは、寿命が延びるような研究が成就することを祈りながら日々を送る、ということではないはずです。最も注力すべきは健康寿命を延ばすことです。現在私たちは平均で10年程度の「不健康な最期」を送る可能性を持ちながら、死に向かっています。もし途中で寿命が延びる画期的な発見がされたとしたら、私たちは30年にわたる不健康な最期を送る羽目になるかもしれません。そんな目も当てられない状況に自分だけでもならないように、健康寿命をできるだけ伸ばす努力を今のうちにしておくのです。
もし画期的な発見がなくても決して損はしません。もしかすると120歳まで生きるのはあなたなのかもしれません。そこまで体も脳もそれなりにしっかり保つことができれば、そこそこ楽しい「超老後」が送れているはずです。そして今わの際に、きっとこのコラムを読んで良かったと思い返すことでしょう。・・忘れてるか。

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