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体調が悪ければ休んで

[2018.01.16]

黒死病という言葉を聞いたことがある人は多いと思います。14世紀にヨーロッパで流行し、人口の3分の1を奪ったと言われています。皮膚に黒い斑点が出て亡くなっていくことからこのような名前が付けられたようですが、現在ではペスト菌による感染症ということがわかっています。この当時には感染症や衛生といった概念は確立されていなかったため、流行を抑えることは難しかったようです。また病気の原因がわからなかったため、医師による治療というのも的外れであったと考えられます(抗生剤もありませんでしたし)。
ペスト菌はもともとはネズミについており、ノミを介して他のネズミにうつるというものです。そのサイクルのどこかでヒトにうつると病気を起こします。ヒトからヒトへはノミを介して、または血液や体液から直接うつります。治療は抗生剤が効きます。現代では大流行することはなくなりましたが、それでもアジアやアフリカなどではまだ時々見られる病気です。
14世紀にヨーロッパで流行した時には、ネズミが感染を拡大させた主な原因であると長らく考えられていました。しかし近年の研究で、実際にはノミやシラミを介してヒトからヒトへうつっていったことが大半だったということが言われています。つまりヒト同士の接触が大流行の原因を作ったということです。
ペストでなくても一般に感染症が流行する時には、人がどういう行動をとるかということに大きく左右されます。例えばインフルエンザのような感染症にかかっている人が人混みに行けば、より多くの人にうつってしまう可能性があります。みんなが手洗いをすることや、衣服やタオルをまめに取り換えるといった衛生観念も大切なものです。ゴホゴホしながら出勤して、電車や職場で迷惑そうな顔を向けられるのではなく、調子が悪ければ思い切って休みを取るようにしましょう。

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