メニュー

寝る時くらい真っ暗に

[2019.07.24]

眠れない、という悩みを持つ人は少なくありません。慢性的に寝つきが悪いとか、途中で起きてしまう人もいますし、何かしらの心配事やショックな出来事で一時的に眠れなくなることもあります。また夏の猛暑の時期になると、寝苦しくてしっかり睡眠がとれないと訴える人が多くなります。年をとると自然と睡眠の質も量も低下しますが(寝る時間はむしろたくさんあり)、若い頃のように眠れなくなったという思いを強く抱く方々もたくさんいます。
眠れなければ睡眠薬を、と考える人もいるでしょう。眠れないというのはとてもつらいことですし、翌日のことが心配になってしまうものです。ただ今まで多く使われていたマイスリー、レンドルミン、ハルシオンといった睡眠薬(ベンゾジアゼピン系睡眠薬とその類似薬)は、使用するにあたりとても注意が必要だということが言われるようになっています。
これらの薬はとても効きが良く、飲むとすごくよく眠れるようになります。ある意味でとても快感で癖になりますが、自然な眠りとは程遠いものです。ただ連用しているうちにやめられなくなり、もっと薬を増やしていかなければならない人も多くいます。転ぶことも多くなりますし、認知症を増やすことも示されています。高齢の人には切実な問題ですし、若いうちから続けることはもっと大きな問題かもしれません。この薬を使うのであればごく短い期間に限るなど工夫が必要です。
何かをきっかけにこういった睡眠薬を始めて、その後も何となく続けてしまっているという人も意外と多くいるようです。薬があれば良く眠れるし、飲まないのは何となく不安だし・・。こういった人に近年使われるようになった新しいタイプの睡眠薬を使いながら、従来の睡眠薬を減量していくとうまくいくことが多々あります。最終的には従来の睡眠薬だけでなく、新たに始めたものまでやめられる人もいます。
しっかり眠るためには環境や習慣も大切です。
・眠れなくても朝はきちんと起きる
・日中にしっかり身体を動かす
・昼寝は長くても30分まで
・夜は眠くなるまでベッドに入らない
・寝る前はスマホやパソコンの画面を見ない(途中で起きてしまった時も)
・過量のアルコールやカフェイン摂取に注意する
・部屋は真っ暗にして、やや涼しめな温度と快適な湿度に調節する

真っ暗にして眠るというのはとても大切なことのようです。眠る部屋が明るいと抑うつが増えることが言われています。また最近の研究では、人工的な灯りやテレビを点けながら寝ている人(その研究では女性)は肥満しやすいということも報告されています。睡眠不足自体が肥満のリスクであることも以前から言われています。
子どもの頃は夜更かしがとてもワクワクするもので、しかしいつまでも起きていると必ず親に注意されしぶしぶ寝床に入っていました。小学生の我が子はちょうどそんな時期にあるようで、週末になると「今日こそ夜更かししてやる!」と息巻いてテレビの前に座ります。しかししばらくして様子を窺うと、眠そうな目を必死で見開いて頑張っている姿が見られ、そのうちに「もう寝る!」と言って布団に潜り込み数分のうちに寝息を立て始めます。その後はどんなことがあっても起きません。そう、例えば上から弟が落ちてこようが・・。
人はいつから「寝たくない!」から「寝たい!」に変わるんでしょうね。

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME