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生きがいを持つべき

[2020.06.09]
あなたの生きがいは何ですか?こう聞かれて皆さんはすぐに答えられるでしょうか。私にはなかなか難しい質問です。生きがいとは人生の意味とか生きる目的と言い換えられるもの(のようです)。あるアンケート調査の結果を見ると、4人のうち3人は何らかの生きがいを持っているのだそうです。そしてそのうちの3割程度は「仕事」を生きがいに挙げるのだそうです。

面白いことに「仕事だけが生きがい」という人は、自分の健康には意識が低く、食への興味を示さず、寝る時間も少ないのだそうです。その上家族の健康にも無頓着というのですから、結婚を考えている相手には一度は「生きがいは何?」と尋ねておいた方が良さそうです。

生きがいを持つことは、生きていく上で精神的な満足度を高めることに繋がることでしょう。おそらくここで役立つ生きがいとは、「人生とは何ぞや」と悶々と悩み続けることではなく、楽しく時間を過ごせる何かを持つということになります。さらにはそういった楽しみを一つだけではなくいくつか持っていることが良いのでしょう。

仕事とその後の飲み会だけに心血を注いできた人は、退職した途端にどう過ごせば良いかわからない日常を迎えることになります。今まであまり関わってこなかった家族の生活に突然入り込もうとしても煙たがられるだけです。50代60代の女性患者さんからは、「夫が退職してずっと家にいるようになってそれがストレスで」「どこに行くのにもついてきたがって、果ては病院にまで一緒に来たがる」「お昼ご飯も用意しないといけなくなって。お昼くらい一人で食べてくれたらいいのに」といった話をたくさん聞きます(その間ご主人は待合でニコニコ待っていたりして)。

高齢になってもなお生きがいも持つ人は、寿命は長くなり、また健康寿命(病気をせずにいられる時間)も長くなることが国内外の研究で明らかにされています。仕事が生きがいと自負する人は、自分のみならず家族の平和のためにも、仕事を辞めた後にも楽しめる何かを考えておくべきなのでしょう。

言い忘れましたが、「仕事だけが生きがい」という相手であってもどうしても一緒になりたいという人は、もちろんそれは結構な話です。生活に困らないだけの十分な保険金をかけることと、相手を頼みとしない生きがいは探しておくようにしましょう(そういった人の生活習慣は寿命を縮める可能性が高いので)。
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