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誰とご飯を食べますか?

[2017.03.28]

「孤食」という言葉が普通に使われるようになっています。それぞれがバラバラな物を食べる「個食」に対して、一人ぼっちで食事をするという意味合いを持たせています。おそらく今は子どもから大人までいろんな人に当てはまるものなのでしょう。
1人で食事をすることがすべて悪いというわけではありません。一人で食べることが好きな人もいるでしょうし、時々そんな機会を楽しんでいる人もいるでしょう。ただ、人と一緒に食卓を囲むということは、やはり大事なことだと思います。
家庭的、社会的な事情から、一人でご飯を食べている子どもが数多くいるようです。なかなかきちんとしたご飯を食べられないという状況の子どもも少なからずいます。そういった子どもたちに、一緒にご飯を食べる機会を無償もしくは安価に提供する組織がいろんなところにできているのだそうです。子どもの貧困に関しては行政が手を打つべき問題としても、こういった活動は子どもたちにとってとても意味のあることでしょう。
一方で、多くの子どもは塾や習い事のはしごをしなければならないほど多忙とも聞きます。塾などでみんなで食べるご飯は、それはそれで楽しい機会なのかもしれません。しかしお腹が満たされればそれで良いと、移動中にパンやおにぎりを詰め込むだけが「食事」というのでは、やはり寂しい気がします。
働き盛りの人たちは、なかなか家族一緒にご飯を食べることは難しいものかもしれません。遅くまで働いて家に帰り着く頃には家族団らんという時間は過ぎていて、用意してあるご飯を一人で食べるか、自分で買って帰って食べるか、はたまた外で済ませて帰るかということになるでしょう。友人と外食できるのであれば楽しいものですが、そう毎日というわけにもいかないでしょう。一人で外食する「おひとり様」というものには、いろんな形態のものがあるのでしょうが、お店の人や周りの人とのコミュニケーションを期待して、という人も少なくないかもしれません。
高齢の人にも、誰かと一緒に食卓を囲むということは大事なことになります。一人でご飯を食べるとなると面倒であることなどから、適当に済ませてしまったり、抜いてしまったりしがちになるようです。特に今の高齢者の世代であると男性に調理経験がない人が多く、一人での食事がうまくいかないようです。高齢の人の孤食は死亡率やうつ病などのリスクを高めることが言われています。
こう書いてくると、一生の間に誰かと一緒に食卓を囲む機会は意外と少ないのかもしれないという気がしてきます(実際にはそんなことがない人はたくさんいるはずですが・・)。食事とは、ただ栄養を摂るだけのものや、空腹を満たすだけのものではなく、もう少し何か意味のあるものなのではないでしょうか。できるだけご飯は誰かと一緒に楽しく食べたいものですね。

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