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電子カルテ

[2017.01.30]

「患者を見て診察してくれない」と近年病院を受診すると感じている人が多いかもしれません。パソコン画面ばかり見てずっと入力していると。大きな要因は電子カルテを使う病院が増えたからです。かつては紙のカルテに本人にしか分からない(時に本人が後で読んでもわからない)ような文字で書きなぐっていたものが、電子カルテではキーボードで入力していき、検査オーダーも画面から入力できるようになっています。他の人が後で読んだ時に、手書きの文字とは違い大変分かりやすいのと、紙と違ってかさばらないため記録としては非常に重宝します。
その一方で入力にはどうしても時間がかかります。キーボード操作に慣れない医師であればなおさらです。忙しい外来で、診察に余分な時間をかけまいとすると、自ずと入力しながらの診察になります。その結果あまり患者さんを見ないで診察を終えてしまうという本末転倒なことが起こります。
最近の米国での報告では、外来診療で医師が患者と対面する時間の割合はおよそ4分の1で、残りの時間は電子カルテ入力やその他の書類記入に充てられていました。検査をしていても対面する時間は半分程度にしかならないそうです。おそらくこの悩みは電子化が進んでいる国の共通のものなのでしょう。
それでも診てもらう側としては、目を合わせ、話を聞いて、体の悪いところを触ってもらいたいものですよね。

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