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老いと寿命と

[2017.01.21]

不老不死というものを古くから人は追い求めていたと言われます。古代から洋の東西でどうにかしてこれを手に入れようといろんなことを試した(そして失敗したことは歴史が示す通り)という話は数多くあります。
多くの人は死にたくないと考えます。これは死ぬ瞬間から先がどれほど想像力を逞しくしてもそれを超える世界である、つまり誰にも全く分からないということに大きく関係しているのだと思います。自分がどうなってしまうのか分からないというのはとても怖いことで、できれば先延ばしにしたい、あわよくば避けられないものかといろいろ画策する気持ちはよくわかります。
人は死にたくないついでに年も取りたくない生き物のようです。老いは確かに切実な問題です。一人でできないことが増えていき、最後には自分の思った通りに生活できなくなる日が多くの人に訪れます。またそのことを周囲は当然のこととして受け入れるように迫ります。その無念さは当人にしか分かり得ないものですが、何事も他人が決めた通りにしなければならないという生活(病院や施設で人生の最後を過ごすことなど)は想像に余ります。
ところで人は老いたくない、老けたくないと考えた時、ではいったい何歳くらいでいたいと思うのでしょうか。今より年を取りたくないと思う人もいれば、もっと若い頃に戻りたいという人もいるのでしょう。でも、ズバリこの年齢で!というものはなかなか決められないのではないでしょうか。体力、気力、知力、経験値、経済力などのピークはみなバラバラで、すべてにおいて最高というときはありません。また人生はさまざまなステージに、いろんな楽しみがあります。
現時点で私たちが手に入れることを望めるものは、できるだけ長く健康でいることです。頭も体もできるだけ長持ちさせて、人生の最後の最後まで自分の思い通りに生活できるように頑張っておくことです。そして現実として老いは避けられないので、そのことを思い悩むより、楽しく年齢を重ねることに心砕くべきです。
ところで寿命は伸ばせるのでしょうか?カロリー制限は寿命を延ばす可能性があることが言われています。これは医学研究に使われる線虫というものが、栄養を制限して育てるとグンと寿命が延びるという知見に端を発しています。そしてサルにカロリーを制限するという研究が長期間なされています。その結果では、中高年にあたる年代からカロリー制限をすることで寿命は延び、病気が減ることが確認されています。今のところあくまでもサルの話ですが・・。

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