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食事と癌

[2018.02.08]

動物実験の話ですが、アミノ酸の一つであるアスパラギンの摂取を控えたり働きをブロックしたりすると、乳癌の転移が抑えられるという研究結果が発表されています。ヒトにも当てはまるのかどうかはまだわかりませんが、食事が癌の進展に直接影響する可能性を示すものであり、注目を集めています。
アスパラギンは名前から思いつく通りアスパラガスに含まれるアミノ酸ですが、他にも実に様々な食品に含まれています。今回の研究結果を知ったからと言ってアスパラガスを食べるのをすぐにやめる必要はありません。今後の研究でヒトではどうかということを確かめなければいけませんし、他にもこういった物質はたくさんあるのかもしれません。ただ将来的には、ある特定の癌の予防や治療として「(たとえば)アスパラギン抜きのミックスジュース」みたいなものが登場するのかもしれません。
今回の研究とは直接関係ないかもしれませんが、アスパラギンは糖と一緒に120℃を超える高温で加熱されるとアクリルアミドというものになります。これは以前から発癌性物質である可能性が指摘されています。これ以外にもアミノ酸(蛋白質)と糖が一緒に高温で加熱されると糖化最終産物(AGEs)と呼ばれる物質がいろいろできます。このAGEは動脈硬化や癌に関わっていると考えられています。蛋白質と糖が高温で加熱される、というのは要するに肉などを高温で調理した時にできる焼き色の部分のことで、あの美味しそうな見た目や香りをもたらすものです。体に悪いかも言われても、とても捨てがたい魅力があります。
ただ肉であれ魚であれトーストであれ、少なくとも焦げた部分はやはり食べない方が良さそうです。AGEについても、焼き色をしっかり付ける調理法だけでなく、煮る、蒸す、低温でじっくり調理するといった方法を多く取り入れ、摂取の機会を減らしておくと良いのではないでしょうか。
癌にならないためにというのであればこれだけでなく、
・野菜や果物をしっかり食べる
・酒量を少なくする
・赤肉(牛、豚、羊など)や特に加工肉(ベーコン、ハム、ソーセージなど)の摂取をできるだけ控える
・熱すぎるものを口にしない
・肥満、糖尿病に注意する
といった飲食の習慣が大切だということがわかっています。言うまでもなく喫煙は癌も動脈硬化も促進するので、禁煙は最も大切です。

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