メニュー

煙る音楽の都

[2018.05.29]

今年も欧州肥満学会に参加してきました。今年の開催地はオーストリアのウィーンでした。歴史ある寺院や宮殿、オペラハウスなどが街の随所に建ち並ぶ素敵なところですが、それゆえ観光客があふれかえっており、それなりに都会でありでもあるため、雑然としてもいます。
何よりも残念なのが喫煙者が多く、いたるところがたばこ臭いことです。「欧州の灰皿」と揶揄されることもあるこの国では、喫煙場所の制限などがいまだに法令で行われていない欧州では数少ない国の一つです。最近も飲食店などの屋内禁煙の法案が出されましたが、喫煙家の政治家などにより廃案に追い込まれています(どこかで似たような話が・・)。さすがに観光客が多いウィーンのそれなりのレストランでは屋内禁煙が進んでいますが、それでも喫煙マナーを含めまだまだな感じです。
欧州で喫煙といえばフランスを思い浮かべる人も多いと思います。フランスではレストランなどの屋内喫煙が法令で規制されていますが、その分路上で吸う人をたくさん見かけます。しかしそんなフランスでさえ、最近急速に喫煙者が減ってきているそうです。特に若者のたばこ離れが進んでいるようです。課税を増やして金額を上げたり、喫煙が招く悲惨な病気の写真をパッケージに載せたりしていることが奏功したとされていますが、もはや多くの若者がこんな臭くて煙たいものに魅力を感じなくなっているということなのかもしれません。
インドや中国などでは喫煙者がかなりの数に上りますが、日本や欧米の多くの国では喫煙者は減少傾向です。たばこ会社は発展途上国での販売に力を入れる(そうして病気が増える)のと同時に、世界各地で電子タバコを流行らせることによってどうにかたばこ離れを食い止めようと躍起になっています。電子タバコは普通のたばこと同様に健康を害するものと考えられますが、喫煙への敷居を下げる(非喫煙者がたばこを始めるきっかけになる)可能性もあり、医療界では懸念されています。
近年の医学では喫煙は一つの疾患(病気)であると捉えられるようになっています。そしてこれは治せる(やめられる)病気でもあります。興味本位で近づかないことですし、やめるのであればきっぱりと決別するしかありません。喫煙仲間はメンバーの脱退をことのほか寂しがり、「1本どう?」などと禁煙の邪魔をするかのような行動を平気でとります。しかし決してあなたのことを慮ってのことではありません。実際のところ、禁煙チャレンジャーの少なからぬ人が飲み会でのもらいたばこをきっかけに禁煙に失敗するのだそうです。
厚労省は省内に設置してあるたばこ自販機を撤去することにしたそうです・・・いまだにあったことの方に驚きです。でも喫煙所は残すのだそうです。禁煙施策への意気込みがあるようなないような・・。31日は世界禁煙デー

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME