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AIと共存(せざるを得ないよね)

[2023.05.24]
生成AIという、キーワードを入力すると文章や画像などをそれらしく仕上げてくれる人工知能が急速に発達してきています。最近話題のチャットGPTというものは、何に対してもさらさらと流暢な文章で答えてくれる(なんならレポートや論文まで用意してくれる)優れもののようです。これを評してある人が「非常に話し上手な『知ったかぶりの人物』と話しているような感じ」と言ったとか。この、非常に話し上手な知ったかぶりの人物、という言葉だけを聞くと、「あー、あの昼のワイドショー出てる人たちね」って思ってしまうのは私だけではないはず。まあ、チャットGPTの方がよっぽど気の利いたコメントをするでしょうが。
学生さんたちはもうこれで課題レポートに悩まなくて済みますね。必要なキーワードさえわかっていれば、AIが素敵なレポートを用意してくれます。先生たちもそれに脅威を抱く必要はありません。AIに学生のレポートを添削させれば良いのです。今よりもかなり公平な評価ができるはずです。学生から評定について抗議が来た時にも、「だってAIが・・・」と言えば学生も納得することでしょう。良かったですね、先生。・・・これって何のためにやってるの?
つまり作文やレポートで人が人を評価する時代は終わったということなのかもしれません。(AI同士は互いの創造物を見て、高めあっていくのかも。)これは口頭試験に変えたとしても同じでしょう。AIは想定される質問やそれに対する答えまでもきちんと用意してくれます。そのため生成AIの使用を控えるようにと言い出している学校などもあるようです。しかしそれは、今や誰も計算をするのにそろばんを使わないことを考えればわかる通り、生成AIを使わない(使わせない)というのは無理な話となるのでしょう。技術が進歩しているのにそれを使わないという手は(それが他人を傷つけるというのでもなければ)ありません。生成AIの使用を反対する人は、それで人が頭を使って考えるということをしなくなるのではないかと危惧しているのかもしれません。しかしワイドショーを見て、あの薄っぺらいコメントを聞いてわかった気になっているのであれば、もともとそんなに自分の頭を使って考えてはいないのでしょうから心配はいりません。というのは言い過ぎかもしれませんが、使える技術は存分に活用し、余った時間でさらにほかのことに手を出したり、考えたり、体験したりといういうことになれば良いのではないでしょうか。
現在、8割近くの人がAIに仕事を奪われるのではないかと怯えて暮らしている、とまでは書いてありませんでしたが、漠然と考えているのだという記事を目にしました。確かに医学論文でもAIを用いた診断や治療に関するものをしばしば目にするようになっています。自分の限られた記憶力に頼るよりも、AIを使った方が診断も治療をうまくいくのかもしれないと考えることもあります。しかもAIであればどんなに長く体調不良を訴えても(愚痴を言っても)、嫌な顔一つせず聞いてくれることでしょう。今のところ人間の医者がAI医師より優れているのは、微妙なニュアンスを汲み取ることや、本心ではない訴えや遠慮して言えないことを(態度や雰囲気から)見抜くこと、本人が気づいていないために訴えられない異常に気付くこと、冗談を冗談として捉えることができる(できない医者もいっぱいいるかも)といったことでしょう。近い将来、医者の仕事の大半(と薬剤師業務のほとんど)はAIが担っているかもしれません。そうなる日が来るのを怯えて暮らす必要はありません。そうなった暁にはきっと私は左手にうちわを持ってAIの隣にふんぞり返っていることでしょう。もちろん扇ぐ先は自分ではなくAI医師ですが。機械だから熱も持つでしょうしね。
もっとも、この姿が共存なのか隷属なのかはわかりませんが・・
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