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少子化と風疹抗体チェック

[2019.12.10]

もう何年も前から経済発展を遂げて久しい国々で少子高齢化が問題になってきています。日本でも内閣府が先頭に立ち、担当大臣まで置いて政策として少子化に歯止めをかけようとしています。効果は10年単位のような長い期間で見ていかなければならないものでしょうが、今行われていることが(悪いこととは思いませんが)少子化を大きく改善することはおそらくないでしょう。
内閣府のHPを見ると、『結婚、妊娠、子供・子育てに温かい社会』の実現のためにいろいろ考えているのだと書いてありますが、『結婚、妊娠、子供・子育てに冷たい社会』になったことが少子化の一番の原因ではないのでしょう。妊娠、出産、子育てにかかる費用を国が負担し、社会全体で子どもを育てていきましょうという発想は良いものだと思います。でもその辺りの基本的な費用や環境が保証されたとしても、このような時代に「3人以上子どもを作るぞ!」と盛り上がれる人は少数でしょう。そもそもこんなこと子どもが少なくなったからと慌ててやるようなことではなく、社会が成熟したら少子化云々とは関係なく当然早くになされるべき施策です(子育てだけでなく介護も)。
住環境が悪く医療も十分に受けられないとか戦争・紛争なんかで子どもの死亡率が高い状況では出生率も上がります。しかし環境が安定し経済も発展すると次第に出生率も自然に低下していきます。子どもが成長する前に死んでしまうかも、という心配はあまりしなくて良くなり、代わりに少ない子にできる限りの投資をしようということになります。つまり誰が悪いわけでもなく、景気の良し悪しにも関係なく、子育てに対して行政が無策だったこととも関係なく、社会の自然な流れとして少子高齢化はできあがるのでしょう。それを『温かい社会』を作るだけで覆せると本気で思っているとしたら再考すべきでしょう。きっと関係者の多くは本気で思ってはいないけど何かしているフリをしないといけないからなんとなくやっているのでしょうけど・・。
以前ほどは多くはないとしても、毎年90万人ほどの赤ちゃんが誕生しています。せっかく生まれてくる命なので大切にしなくてはいけません。生まれてからたくさん打つべきワクチンがありますが、どれも以前は多くの人が苦しみ、時に命を落とした病気から守ってくれるものです。ワクチンは恐ろしいものだとする、根拠のないサイトや個人の経験談に惑わされることがないようにしたいものです。
生まれる前、もっと言えば妊娠する前にも大事なワクチンがあります。風疹は妊婦さんが罹ると知事に重大な影響を及ぼすことが多々あります。今年だけでも4例報告されており、決して他人ごとではありません。妊娠の可能性のある女性には無料でワクチン接種を受ける機会を自治体が用意しています。その他に抗体がないと思われる40-47歳の男性に無料で抗体検査を受けられ、抗体がなければ無料でワクチンが受けられるクーポンが送られています。しかし残念なことに利用率は1割程度だったようです。今後はそれよりも上の年齢の人にも送られる予定です。ぜひこの機会を活用して抗体検査を受けましょう。できるだけ多くの人がワクチンを受けて抗体を持つことが、流行を防ぎ赤ちゃんを無用な感染から守ることに繋がります。

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