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高血圧・・どこまで下げる?

[2017.06.05]

高血圧の治療で医療者が長年悩まされるのが、どこまで下げたら良いか(または、どこまで下げたらまずいのか)という問題です。かつては血圧は低ければ低い方が良いという時期がありました。しかし近年は少し変わってきています。
こういったものは医学的な研究の結果によって左右されます。研究はどういった対象の人か、どのような治療方法か、どのような治療目標か、といったことの区別で、患者さんの結果がどのように変わったかを見るものです。患者さんの数の多さ、観察した期間の長さ、データが良く取れているかどうかといったことによって、研究の信頼度が変わります。
最近の信頼度の高そうな研究結果を見ると、いろいろ動脈硬化に関係する病気のある人は上の血圧が120-140mmHg、下の血圧が70-80mmHgというところが良さそうです。高血圧の治療は、主に狭心症や脳梗塞といった心血管病を予防するためのものですが、血圧を下げ過ぎるとそういった病気の一部が増えてしまう可能性が示されています。
血圧が高いことに関しては、140mmHgより下に下げることの効果は様々な研究結果から間違いないようです。血圧が高いのに、いつかは下がるかも、とか、薬を飲み始めたらやめられない、と言って放置してはいけません。また「高血圧に薬はいらない!」とか、「何々を揉むと血圧が下がる」、「年齢引く80で大丈夫」とかいうものにさしたる根拠はないので、真に受けるのはお勧めできません。
血圧が気になるようでしたら、まずは自宅で測定してみて、その結果を持って内科を受診しましょう。新聞広告に出ている見出しよりは、ずっと良いアドバイスが得られるでしょう。

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