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オーガニック!

[2018.10.24]

「オーガニック」という響きには、多くの人に何らかの感情を掻き立てるものがあります。もっとも今の私たちだからこそのことで、100年ちょっと前までの農業では当たり前すぎて誰もわざわざこの言葉を使わなかったでしょう。
たいていの人には体に良さそうとか、安全とか、健康とか、でも値段が高そう、といったもののようです。(そして一部の人には ”おととい来やがれ!” 的な・・)
オーガニックという言葉には、良いものであるということと、だから少し高価であっても仕方がないということが内在しているようです。もともとは人にも環境にも優しいものを作ろうというところから出てきた発想なのでしょう。しかしこの印象を逆手にとって、環境や健康をあまり考えていないようなやり方をしている大手企業が、さらに儲かる手段の一つとして基準を形だけクリアするような方法でオーガニック製品を作ることが当たり前のように行われているようです。またオーガニックを謳っている食品の中にはインチキなものも少なからずあるという報告もあります。
ところでオーガニックとは?・・唐突に聞かれると答えに窮します。有機栽培の、ということなので、化学肥料や化学農薬を使わないで育てられたものです。(ここにさらに環境に優しいとか、持続可能なとか、地産地消の、といった作り手や認証機関の理念が足されるようです。)化学肥料や化学農薬の発明・進化は、農作物の成長速度や収量を飛躍的に向上させました。そして今ではどのスーパーでも形の良い野菜が山のように積まれ、その一方で半端ない量の食糧が日々廃棄され、世界では飢える人より肥満で死ぬ人の方が多くなるというおかしな構図を描き出しています。
健康の面から言うと、一部の化学農薬には発癌性があることが示されています。そんな薬品でも少しなら大丈夫、とメーカーは言いますが、食べさせられる側の人間としてはできるだけ避けたいと思うのが普通です。
最近のフランスでの研究では、オーガニック食品をよく食べる人は、そうでない人に比べて癌の発症が少ないという結果でした。特に閉経後の乳がんとリンパ腫について差が見られています。そこでは残留農薬が癌の発症に関係しているのではないかと考察されています。
大手企業が作って、大手スーパーに安価で陳列されているオーガニック食品に、どの程度の信頼が置けるのかはわかりません。しかしきちんとした人たちが作った、食べ手のことを考えた食品を選んで買う努力は決して無駄ではないように思います。

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