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ビタミンDの怪 という程でもないけど・・

[2019.08.29]

サプリメントや健康食品を摂っている人はかなり多くいるようです。少し前まではサプリというと若い人が美容や不摂生を気にして摂るものというイメージがあったのですが、最近では健康が気になるご高齢の方も多く摂っているようです。やはり人気があるのは膝や腰の痛みに効くという謳い文句の軟骨成分的なもののようですが、あとはビタミンDだったりDHA・EPAだったりといろいろなものがあるようです。
このように幅広い年齢層を取り込むことに成功し(最近は子ども用サプリまで!何のために?笑)、サプリ市場は健康食品を含めると1兆円を超えるかなり大きなものになっています。そしてまだまだ成長し続ける余地があると考えられてもいるようです。しかしこんなに多くのお金が費やされているにもかかわらず、そこには「効果」が証明されているものがほとんどありません。そう、医学的にはたぶん効いていないだろうもの(偽薬効果である程度の効果は出る。たとえ飴玉でも)にあまりに多額のお金が支払われているのです(そしてどこかの誰かの懐を肥やしている)。さらにその規模が大きくなるというのですから、冷静に見るととても不思議な世界です。
サプリはもともと、何かが足りない⇒病気や体調不良になる⇒そうならないように補ってあげる、という発想から生まれるものです。しかし不思議なもので、足りないものだけを補っても効果をなかなか発揮しないものなのです。たとえばビタミンD。不足すると骨粗鬆症や筋力低下から骨粗鬆症や転倒を起こすことが知られています。またビタミンD不足は糖尿病になりやすく、心血管病も起こしやすいこともわかっています。しかし最近の研究では、サプリでビタミンDを補っても糖尿病や心血管病の発症は予防できないことが示されています。骨粗鬆症や筋力低下に対しての効果も今まではあるとされていたのですが、懐疑的な結果が出されるようになっています。摂取方法に問題がある(食事として摂取すべきとか、日光に当たるべきとか)のかもしれませんし、そもそも不足するような事態を招いてしまったことが悪いのか、はっきりした原因はわかりません。今言えることは、「サプリでは補いきれない」ということです。ビタミンDを減らさないような生活習慣を身につけるしかないのです。
こういったことはカリウムやカルシウムなど他のものでも見られます。足りなくなったらサプリで補えば良い、という発想では大切なものをいろいろ失ってしまうようです。アプリに費やすお金の余裕があるのなら、その分で何か健康的な食材でも買った方が美味しく健康になれますよ。

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