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ビールと尿酸

[2017.07.26]

暑い日が続いていますね。こんな時期は特に仕事終わりのビールが美味しく感じられるものです。ついつい飲み過ぎてしまうという人も少なくないかもしれません。
ビールというと尿酸を連想する人が多いのではないでしょうか。尿酸値が高いからビールは我慢して他のお酒にしているという話も時々耳にします。痛風の発作に襲われたことのある人は、そのつらさ故ことのほか(発作からしばらくは)尿酸に敏感になっているものです。しかしビールを我慢しても、他のお酒を飲んでいれば尿酸に関してはあまり意味がありません。ましてやビールや発泡酒に含まれるプリン体の多寡を気にする意味はほとんどないと予想されます。
尿酸値が上がる主な要因は、➀体質、➁体重、➂アルコール摂取量、➃脱水、➄腎機能、といったものです。よく以前は尿酸とプリン体の摂取の関係が強調されていましたが、現在ではそれほど強い関係があるとは考えられていません。プリン体はほとんどの食べ物に含まれており、普段いろいろな物を食べて生きている私たちは、日常的にそれなりの量のプリン体を摂取しています。問題となるのは、体内での尿酸の生成や分解に関わる体質の違いで、プリン体摂取量の多寡にかかわらず尿酸値が上がってしまうというものです。体重が増える、飲酒量が多い、脱水になる、腎機能が低下するといったことでも尿酸値は上がるため、このような体質を持った人は特に注意が必要です。
尿酸値が高いことは何が問題になるのでしょうか。まず有名なものが痛風です。これは尿酸が高いことで関節の中に結晶が沈着し炎症が起こるというもので、腫れと激しい痛みを伴います。典型的には足の親指の付け根に出ますが、関節であればどこにでも出る可能性があります。他には腎臓や尿管の結石を起こします。
近年では、もっと長期的な視点で、尿酸が高いことが腎機能を悪化させることや、動脈硬化を進め脳梗塞や心臓病などを増やす可能性があることがわかってきています。ただ一時的に痛みを起こすだけでなく、生涯にわたり私たちを悩ます病気のもとになる可能性があるということです。そういったことからも、たかが尿酸と高を括らず、高い値が続くようなら治療することを考えましょう。糖尿病や高血圧、脂質異常などあれば、なおさら治療をきちんと受けることをお勧めします。

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