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太りゆく世界

[2018.03.28]

癌にならないために何をすべきか、と言われたら皆さんは何と答えますか?
英国では今後、喫煙に次ぐ癌のリスクは肥満になるだろうと言われています。特に1980年代から1990年代に生まれた世代に肥満が多く、この世代が中高年に差し掛かるころから肥満に起因した癌が増えることが予想されています。
米国で肥満が問題視されるようになったのはもうしばらく前からですが、それでもこの10年の間も肥満者の割合は大人も子どもも増えているのだそうです。しかし逆にダイエットに取り組む人は減っていると言われています。それは周りの多くの人が同じように肥満しているからということが大きく影響するのだそうです。10人いれば4人は肥満、過体重まで含めれば7-8人という国ですからわかる気がします。
インドや中国といったアジアの大国でも肥満や糖尿病は爆発的に増えています。また東南アジアの国々での肥満の増加も著しくなっています。日本では男性の3割、女性の2割が肥満していますが、この10年横ばいです(20年前に比べれば多い)。ただ肥満者が多いのは40代から50代であり、今後肥満率は再上昇するのかもしれません。
肥満は肝臓、大腸、腎臓、子宮、卵巣、乳腺といった様々な臓器の癌と関係していることがわかっています。喫煙は癌の最たるリスクですが、喫煙率はもうだいぶ前から日本や欧米では下がってきており、今後は肥満が最大かつ修正可能なリスクとなるのかもしれません。
すでに太ってしまった人は痩せるしかありません。と、言うのは簡単ですが実行するのは極めて困難です。もう少し言うと、よく宣伝やテレビ番組で見るような短期間でのダイエットは実は多くの人が可能なものです。問題はその体重を3年後、5年後というところまで維持することがとても困難なことです。人から見られるのが仕事である芸能人でさえ、テレビの企画などで一生懸命痩せた体を維持できないことがそのよい例の一つと言えます。
そのため太らないことがとても大切です。多くの人は20代半ばから体重が増え始め、30代40代を通して(身も心も)育ち続けます。女性では妊娠・出産を契機に体重を増やしてしまう(戻せない)人も多くいます。20代30代で健診に来る人にも、体重が多く肝機能や中性脂肪に問題がある人を少なからず見ます。その時点で「癌のリスクが・・」と言われてもピンとこないでしょうが、将来を決めることが始まっているのは間違いありません。「格好良くいる」という目的で十分なので、体形を維持し動ける体を作りましょう。多くの人が社会人になった途端に運動することをやめてしまいますが、スポーツ(競技性のあるものや上達するのが楽しいもの)を続けることが大切です。
癌にならないためにすべきこととは、ことに若い人にとっては、格好良くいるということでもあるのです。(泥酔するとか喫煙するとかもカッコ悪いですが、これも癌のリスクでもあるんですよ)

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