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痩せ薬 不老長寿の第1歩?

[2023.06.29]
有史以来、人の欲しがる究極のものは永遠の命と老けない外見(できれば中身も)と決まっています(たぶん)。いわゆる不老不死の薬を探す話は、枚挙にいとまがありません。・・・今はちょっと出てこないですが。
寿命を延ばす薬や老化を遅らせる薬の開発研究に多くの資本や労力が投下されていますが、今のところ結果は不老不死とはかけ離れたところにあるようです。少しずつわかってきていることもあるのですが、コンビニやドラッグストアで買えるようになるにはまだまだ時間がかかりそうです。その日を待っている間に取り返しのつかないことにならないために、今手にしているタバコやジャンクフードは嫌いな人の机にそっと置いておき、野菜と果物を買って帰りましょう。
不老不死は無理としても、ハゲとデブ、じゃなかった禿頭(とくとう)と肥満にはなりたくないという人は多いのかと思います。そのあたりまでなら医学の進歩による恩恵を受けられるようになってきました。薄毛に対しては現在内服薬と外用薬があります。内服薬により目に見えて改善する人は少なからずいます。本人の満足度も高いようです。ひと昔前までは、ハゲは宿命みたいな捉えられかたをしていたことを思えば、画期的な治療薬であると言えます。円形脱毛症など一部のものを除き、一般的に薄毛は病気とはみなされていません(少なくとも厚労省では)。本人やパートナーが気にするかどうかが主な問題なのでしょう。若いうちから薄毛になってくると、本人も周りも心配になるというのはわかる話ですが、歳をとっても薄毛はいつまでも気になるものなのです。その頃になると周りはもう誰も気にしちゃいないのですが・・。
別に私が自分の薄毛を気にしているから、こんなに熱くハゲを語っているわけではありません。ぜんぜん気にしてませんよ。いや、ぜんぜんは言い過ぎとしても・・。
ある朝、長男と洗面台で並んで整髪していたら、しばらく眺めていた長男がボソッと「もうハゲてんだからムダじゃね?」!!!
「おまえの未来像だぞ」と返しながら、これは30-40年前に自分の父と交わした会話と同じだと思い出しました。父は若い頃から薄毛だったようで(勝手にバラしてごめんなさい)、子どもたちからするとそれが普通の姿でありながら、からかいの対象でもありました(本人が気にしているが故)。そんな父がもう少し歳をとって、久しぶりに参加した同級会から帰った時、「みんな追い越していった」と勝ち誇った顔で自らの頭を撫でていたのを今でも覚えています。よほど嬉しかったのでしょうね。
肥満はやはり現代ならではの問題と言えます。少し前までは栄養失調の方が問題になることが多かったはずなのに、今では飢餓より肥満で問題を抱える人の方が多くなっていると言われています。そんな肥満に対して、最近まで外科的に胃を手術する以外に有効な治療法(減量法)はありませんでした(脂肪吸引では痩せはしないし、〇〇ザップのようにみんなすぐにリバウンドするようなものは有効な減量法とは呼びません)。しかしGLP-1と呼ばれる消化管ホルモンが製剤化されてから、私たちはようやく効果も安全性もそれなりに高い痩せ薬が使えるようになってきました。今にして思えば初期のGLP-1製剤は減量効果はあまり高くはなかったですが、最近のものは10%前後体重を減らして維持できるようになっています。またGLP-1と、その遠い親戚のような消化管ホルモンであるGIPとの合剤はさらに高い減量効果を持っています。さらに現在はGLP-1・GIPにグルカゴン受容体作動薬まで組み合わせた製剤の治験が進行中で、数年のうちにもっと減量効果が高い薬が臨床の場に登場するかもしれません。これらは週1回の注射が基本ですが、GLP-1製剤は内服薬にもなっており、現在使用されているものの高用量タイプや、他社の新たな製剤も臨床試験が行われて結果は良好なようです。(これらに比べると今まで使われていたオルリスタットは子ども騙しのような程度の効果しかありませんし、今もってマジンドールや防風通聖散でダイエットなどと本気で言っている人の気が知れません。)
肥満が治療できるようになると寿命が伸ばせる可能性があります。薄毛治療と併せて私たちは少し不老長寿に近づいたのですかね。(薄毛を治療しても寿命は延びない。生活の質は改善するかもしれませんが。)寿命を延ばすということを、致死的な病気を予防するという言葉で置き換えられるのであれば、ピロリ菌の除菌療法(胃癌の予防)や子宮頸がんワクチン(文字通り)もその範疇にあると言えるでしょう。これらも革新的なものであり、多くの人がその恩恵に与ることになるでしょう。(そう考えると日本政府とマスコミにより失われたこの10年は非常に残念。)
幼稚園児の次男は最近いろいろな数字に興味津々。「パパは何歳?」「48歳」「じゃあボクが大人になったらパパは何歳?」(考えたくもないと思いながら頭の中で計算。その間を返答なしと受け取ったのか)「あー、もう死んでるか」・・・いやいやいや、君の脛が齧っても大丈夫なぐらい十分立派になるまで死にませんよ笑。
それにしても子どもたちよ、父にもう少し優しい言葉を。
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