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糖尿病の薬

[2017.08.25]

この10年ほどの間に糖尿病の治療は大きく変わりました。それには新たなタイプの内服薬、注射薬が登場したこと、またインスリンも進化したことが大きく関わっています。
一つはインクレチンという、胃や腸から出るホルモンに関連した薬剤です。このホルモンが膵臓からのインスリン分泌を助けるため、このホルモンと同じ働きをする注射薬(GLP-1受容体作動薬)と、このホルモンの分解を抑える内服薬(DPP4阻害薬)が作られました。特に内服薬の方は高齢の方にも使いやすく、現在服用している方も多いと思います。
もう一つは、尿への糖の排出を増やすことにより血糖値を下げる作用を持つ薬剤(SGLT2阻害薬)です。当初は副作用が取り沙汰されるなど、使いにくそうなイメージがありましたが、安全に使える薬であることがわかり、多く処方されるようになっています。なによりこのタイプの薬は狭心症や心筋梗塞、心不全といった病気を抑える効果があることが最近の調査でわかってきているため、今後さらに使われる機会は多くなることが予想されます。
これら最近の薬剤の良いところは➀低血糖を起こしにくい➁体重を減らす(少なくとも増やさない)➂膵臓に負担をかけない、といったことにもあります。以前からある薬剤でも大変有用なものもあり、これらを組み合わせることで最近の治療の多くは、以前の「低血糖が怖い」「体重が増える」「体に負担をかける」といったイメージからだいぶ離れたところに来ています。
長年治療を受けている間に年も重ねますし、肝臓や腎臓、膵臓など体の機能は衰えていくものです。長い間治療が変わっていなければ、一度はその治療が問題ないか、より良い方法はないかを見直してもらうと良いかもしれません。

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