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頭は大切に

[2017.09.26]

アメリカ大統領との間の論争で何かと話題になっているアメリカンフットボール。アメリカ人はこの競技が大好きな人が多いと聞きます。戦略的な見どころもさることながら、肉体がぶつかり合うあの迫力が魅力的なのでしょう。
しかし近年アメフト選手の、あのぶつかり合いによる脳の障害というものが問題視されるようになっています。ポジションにもよりますが、多くの選手が日常的に頭部への衝撃を繰り返し受けています。脳震盪の経験者は半数以上にのぼるとも言われています。あんなに屈強そうなのだから大丈夫、とか、たかが脳震盪ぐらい、と思いたくもなりますが、現実は深刻なようです。
ヒトの頭はキツツキとは違い衝撃に強い構造にはなっていません。あまりに強い衝撃を受ければその部分に一致して(または反動で反対側の)脳が傷つくことが予想されます。しかしそこまでの衝撃のレベルでなくても、頭蓋骨の中で脳は揺れ動き引き延ばされ、特に左右の脳のつなぎ目のあたりに傷を負うと考えられます。これを繰り返していくうちに、脳の機能に異常が生じるため、早い人では現役のうちから、また多くは引退後に様々な症状に悩まされます。気分の落ち込み、急に暴力的になる、幻覚が見える、物覚えが悪くなるといった症状が報告されており、中には自殺や犯罪の原因となった可能性もあるとされています。またパーキンソン病など脳神経系の病気になる人が多いことも報告されています。
頭に衝撃を受けるのはアメフトだけではありません。ボクシングなどの格闘技はすぐに思いつきますが、実はサッカーのヘディングが危険視されています。子どものサッカーではヘディングが禁止されているところもあるようですが、大人になってからもやはりあまり勧められないもののようです。女子サッカーでは特に脳震盪が多いということも言われています。
しばらく前に「コンカッション」という映画がありました。脳震盪、という意味の英語ですが、アメフトの危険性を最初にはっきりと主張した医師の話です。なかなか面白い映画ですよ。

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