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高齢者とは?

[2017.01.06]

老年医学会などが高齢者の定義を見直そうという提言を出しました。これはあくまでも医学的な見地からの提案になります。今まで医学的に高齢者というと65歳以上を指していましたが、これを75歳からとして、それまでを準高齢者としましょうというものです。この背景には年配の人の体力レベルや健康状態の向上などがあります。
定期的に通院される外来の患者さんはもちろん年配の方が多いですが、65歳以上だからと言って「年寄り」という印象は受けない人が多いです。仕事をされている方も多いですし、ご本人は自身のことを「年寄り」だなんてこれっぽっちも思っていないはずです。頭脳も体力もまだまだ現役なのに、高齢者のくくりで隠居生活を前提とするのはもったいないかもしれません。平均寿命も伸びており、一般的なリタイアの目安とされる60歳や65歳から亡くなるまでは相当な時間があります。
もちろん年齢を重ねてくると様々な病気を持つようになる可能性は高くなります。またそうでなくても若いころに比べると体を動かす能力などはやはり衰え、転んだりけがをしたりしやすくなります。この年齢になってから食事や運動といった生活習慣に注意することももちろん大切で意味のあることですが、その前の20代から50代にかけて予防を考えて生活しておくことがとても重要です。また高齢者だけでなく「準高齢者」の人が働いたり生活したりしやすい環境を行政や会社が準備することも必要でしょう。
高齢者の定義が変わることで、必要とされている福祉などが削られることはあってはいけません。ですができるだけ長く病気や衰えがなく多くの人が暮らしていければ個人としても社会としても幸せなことです。定義はともあれ年寄りなどと呼ばせないような年齢の重ね方を目指しましょう。若い人は信じられないでしょうが、みんなほんとに歳はとるのですよ。

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