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1型糖尿病

[2017.03.08]

インスリン注射が必要な子どもに注射させず、亡くなってしまったという痛ましい事件の裁判の話が報道されていました。
糖尿病には大きく分けて2つのタイプがあります。よく我々が見聞きするものは飲み過ぎ食べ過ぎや運動不足などが主な原因となる2型糖尿病と言います。このために通院して治療を受けている方も多いことでしょう。
もう一つのタイプは、膵臓から血糖値を下げるホルモンであるインスリンが出なくなってしまうもので、1型糖尿病と呼んでいます。インスリンがないと体の中でエネルギー源となる糖が利用できず、生きていくことができません。そのためインスリンの注射が不可欠となるのですが、この事件の子のように何らかの原因で注射ができないでいると、数日から1週間程度で命を落としてしまう可能性が非常に高いものです。
近年は少なくなったと思いますがそれでもまだ時々「若いのに糖尿病になんて・・」という、生活習慣病を念頭に置いた発言が聞かれることがあります。しかし1型糖尿病は生活習慣とは無関係で、膵臓からインスリンが分泌されなくなってしまう病気です。はっきりした原因はいまだ不明ですが、その人の不摂生や不注意で起こるものではありません。
日本では1型糖尿病の割合は比較的小さく、糖尿病の人の10%前後と推計されています。欧米ではもう少し多く、北欧などでは4割近くが1型糖尿病という国や地域もあります。
1型糖尿病は子どもや若者に発症することが多いですが、年を取ってから発症することもしばしばあります。通常1型糖尿病は数週間から数か月の間にインスリン分泌が低下していき、それに伴って血糖値がみるみる上昇することになります。ある程度血糖値が高くなると喉の渇きや多尿、食べているのにやせてくるといった症状が出てきます。しかし中にはもっとゆっくりとインスリンが出なくなり、ゆっくりと高血糖になっていくものもあります。糖尿病と診断され内服薬をいくつももらったが全然良くならないという人の中にこのようなタイプがみられることがあります。コントロールがうまくいかないと気になっている人は一度専門医を受診してみてください。

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