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気候変動と健康

[2017.07.03]

かの有名なホーキング博士が、米国のパリ協定離脱を批判していました。地球温暖化など気候変動に関して、今手を打っておかなければ取り返しがつかないところまで進んでしまうのだそうです。今しばらくの経済的な面よりも、これから先の世代にどのような環境を残すかということに重きを置くべきなのでしょう。
地球温暖化に伴い、生物は陸生種も海洋種も年間数~10㎞ずつ極地へ移動しているといいます。動植物はまた陸上であれば標高の高い方へ、海中であればより深い方へ移動していきます。それにより植生は変化し、利用できる資源、栽培できる食物、住む動物といったことの多くが変わってきます。このことは新たな紛争の火種になる可能性があります(人間の勝手ですが)。また、例えば蚊がより広範囲に分布するようになると、蚊が媒介するマラリアのような病気がより多くの地域に広まるといったように、良からぬ病気が増える可能性もあります。
大気汚染も健康被害をもたらすことが知られています。高度成長期の日本では公害も様々出現し社会問題となりましたが、今は規制も進みあまりピンとこないものかもしれません。しかし例えばPM2.5 と呼ばれるような、工場や自動車の排気に含まれる微小な粒子は、喘息やCOPDといった肺の病気を増やすだけでなく死亡率をも高めてしまうことが報告されています。このことは北米やアジアなど広い地域ですでに問題視されています。このような影響を及ぼす汚染物質は、まだ未知のものもあるかもしれません。
地球温暖化や生物多様性といったことに対する知見は、何百年(またはそれ以上)といった長い尺度でも捉えなければならず、判断が正しいのかどうかということもすぐには結果が出ないものです。いろいろな意見があって当然です。ただ多くの専門家が妥当だと考える自然科学や医学の研究結果に耳を傾け、その上で良く考えるという姿勢は大切にしたものです。

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