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院長ブログ

空気は大事(2020.01.20更新)
ここ数十年で中国は驚異的な経済発展を遂げ、世界経済に占める位置も1-2位を争う程になりました。国としては社会主義の態ですが、対外的な経済活動は自由主義にかなり傾倒しており、これが功を奏したのでしょう。ただこれを手放しで喜べる状況でもないようです。私たちは社会主義と聞くとあまり貧富の差がない均質な社会を思い浮かべます。しかし今の中国では富や生活環境に相当な格差が出ていると言われています(貧富の格差はロシアでも相当なもの)。この格差はそのうちに寿命や健康にも影響してくることが予想されます。 中国で健康というと、今最も注目されているのは新型肺炎でしょう。今のところ死者も少なく、感染の範囲もかなり限局しているように報道されていますが、ヒトからヒトへ感染することも確認されており、実際にはすでに感染は数千人規模で拡大していると推察されています。1日あれば飛行機でかなりの距離を移動できる今の時代にあって、感染が拡がらないと考えるのは無理があります。もちろんむやみに怖がったり危険を煽ったりする必要はありません。出所がきちんとした(国立感染症研究所や大学など)情報から冷静に判断し、行動しましょう(現時点だと流行地への渡航は控えるということなど)。 近年中国の都市部を訪れた人は口を揃えて「空気が汚れている」と言います。日本の高度成長期と同様、産業の発展や開発、自動車保有台数の増加などに環境への配慮が追い付かず、深刻な大気汚染を招いてしまったのでしょう。 空気が悪いところで暮らしていると病気になりやすいことは、様々な研究で示されています。喘息など呼吸器系の病気が増えることは想像しやすいでしょうが、動脈硬化系の病気が増えることも知られています。最近報告された中国での研究では、汚染物質であるPM2.5の大気中の濃度が高い地域での脳卒中発症は、低い地域に比べ5割増しという結果でした。都市部での便利な生活にはそれなりのリスクを伴うということなのでしょうか。しかし農村部に住むと今度は農薬や殺虫剤による空気と水の汚染のリスクが・・。 以前より空気がきれいになったとはいえ、日本でも大気汚染の問題がなくなったわけではありません。都市部の幹線道路付近などでは相当な大気の汚染があると考えられます。これと認知機能の関係を指摘する研究結果も報告されています。 どこに住んでもそれなりに住めば都と言えるのかもしれませんが、住む場所は自分にとって何が大事かということをよくよく考えて決めたいものです。どこに越しても変わらないと悟った時にいろいろな物が生まれるようではありますが。

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