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院長ブログ

体づくりは急ぎ過ぎない方が(2021.10.18更新)
先日30代の男性が、健診で肝障害を指摘されたということで受診されました。今までは毎年の健診で肝障害の指摘はなかったようですが、今回はそれほどひどくはないものの確かに異常値を示しています。よく見ると体重も昨年までより10㎏以上増えています。 「原因はわかっているんです。体づくりをしようとジムに通い始め、1日4000kcalかそれ以上食べるようにしていたのですよ」とのこと。ジムのトレーナーにはあまりお勧めでないとも言われたそうですが、本人が強く希望したためそのようにプログラムを組んでくれたそうです。そして2~3か月ほどで10㎏以上体重を増やしたところでちょうど健診だったということです。 こういった経過とデータから、この肝障害の原因は脂肪肝によるものと推測されます。カロリーの摂取量があまりにも多いため、トレーニングでは消費しきれず、余った大量のエネルギーが肝臓に流れ込むことで起こります。当然ながら肝臓以外の内臓脂肪や皮下脂肪も増えることになります。筋トレを一生懸命しているので筋肉はもちろんついてはいるのですが・・。 役者さんが役作りのために、10㎏とか20㎏とか急激に体重を増やすときには、こういったことが体内で起こっていると考えられます。もっと身近なところでは、コロナ禍になり、家に閉じこもって食べることに明け暮れていたら大幅に体重が増えてしまったという人たちも、やはり健診で肝障害(や中性脂肪高値)を指摘されやってきます。急激な体重増加は間違いなく体に負担をかけると言えます。 体をムキムキに作りたい人の食事をどのようにしたらよいかということについては、大会のはざま期(いわゆるオフシーズン)にあるボディビルダーの栄養管理が参考になるかもしれません(たぶん)。数年前のスポーツ医学系の雑誌にこれまでの研究結果をまとめたものが掲載されていました。その名も「オフシーズンのボディビルダーの推奨栄養」。ボディビルにシーズンがあることを知らなかった(あの人たちは年中ただひたすら筋トレに明け暮れているのかと)のですが、ネットで検索した範囲ではどうやら春から秋までが大会のシーズンのようです。シーズン中はキレッキレの筋肉を見せるために筋トレと同時に体脂肪を極力そぎ落とすことに集中するのでしょう。そしてオフシーズンは体を大きくすることに費やすのですが、その間できるだけ筋肉をつけ、脂肪はあまり増やさないようにします。そこで普段の10-20%カロリーを増やし、週に0.25-0.5%ずつ体重を増やしていくことを考目標にします。特に重要なのは蛋白質ですが、体重1㎏あたり2g前後(普通の人より結構多め)の蛋白質を毎日摂取するように献立を考えます。これを1日の間に何回かに分けて摂るようにするのですが、運動の前後1-2時間が理想的と考えられています。ただこれは蛋白質摂取と運動に関する短時間の実験結果に基づくやり方で、週とか月の単位で見た研究の結果では、蛋白摂取の時間よりも毎日しっかりある程度の量が摂れているかどうかの方が大切なようです。残りのカロリーを脂肪と炭水化物で分け合うのですが、どちらもそれなりの摂取量がないと良好なトレーニングが行えません。脂肪は体重1㎏あたり1g前後が目安となり、それ以外を炭水化物で補うことになります。 冒頭の男性はこう見てくるとやはり少しやりすぎな感があります。摂取エネルギーの設定にしても、最初からゴールの体重に合わせて設定するのではなく、スタートの体重から計算して徐々に増やすべきだったのでしょう。実際のところ肝障害も起こしているわけですし。そしてこれからが大変です。筋トレが楽しく続いているうちはいいですが、ひとたびさぼり始めるとそこに残されるのは巨大な脂肪の塊・・ と偉そうなことを書いている私は、スポーツジムに入会もしたことがない、ムキムキとは真逆な体型なのですが笑

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