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お肉はほどほどに

[2019.06.25]

お肉を食べると元気になる!気がするということをよく聞きます。魚を食べると元気になる!と言う人は少ない気がするので、おそらくお肉には「活力」的なイメージを多くの人が持っている(けれど魚にはない)ということなのでしょう。食べ物で多くの人の気持ちが変わるというのは面白いものです。
私たち日本人は1960年頃のおよそ10倍もお肉を食べるようになっているそうです(年間約30㎏)。高齢の方のお肉の消費量も、昔に比べてとても多くなっています。一方で、魚を食べなくなった、ということをよく耳にします。しかし消費量としてはさほど減ってはいません。この50-60年で、体格が良くなったというのもあるのでしょうが、動物性たんぱく質をたくさん食べるようになったということなのでしょう。

近年フレイルやロコモといった言葉をどこかで耳にした人も多いかと思います。歳をとって筋力の低下や関節の痛みなどで動けなくなることや、身体的に虚弱になることを指して使っています(関係団体などが浸透させようと躍起になっていますが、「メタボ」のようにはうまくいっていません)。その予防のためにお肉を食べてしっかり動きましょう、ということが言われます。お肉でなければいけないように言う人もいますが、魚でも植物性の蛋白質でも乳製品でも良くて、ただ筋肉量が落ちないようにしっかり食べることは大切です。
若い人に関しては、お肉をたくさん食べ続けることは注意した方が良さそうです。特にベーコンやハム、ソーセージといった加工肉はできるだけ避けるべきでしょう。最近発表された米国での研究では、お肉や加工肉の食べる量が増えると、その後の死亡率が上がることが示されています。その悪影響は普通のお肉よりも加工肉でより大きくなるようです。
これはあくまで私たちより3倍も多くお肉を食べる米国人の話です。今までの日本人を対象にした研究では、肉食と寿命や病気のはっきりした関係は見られていません。しかし今後、若いうちからたくさんお肉を食べて育った世代が歳をとっていった時に、その影響は無視できないものになるかもしれません。
お肉には動脈硬化や癌のもとになるものが含まれていることがわかっています。さらに加工肉では塩分や保存料などの添加物が使われており、より悪い影響を体に与えるようです。この他肉食は脳にも影響を及ぼし認知症が増えるとされています。
多くの人がたくさんのお肉を食べ続けるということは、環境への負荷もとても大きくなります。持続可能な農業や資源の利用という観点からも、お肉ばかりを食べる生活は考え直すべき時なのでしょう。
ではお肉の代わりに何を食べるべきなのでしょうか。健康面から言うと、魚介類とナッツや野菜、豆など植物由来のものを多く摂るのが良さそうです。おそらく環境の面からも同様のことが言えるのではないでしょうか。お肉は時々のお楽しみという程度にするか、少なくともお肉を食べない日が週に数日あっても良いのかもしれません。
そんなことを考えながらも、小学生の長男にどこかご飯を食べに行こうかと言うと、2回に1回は「焼肉!」という元気な答えが返ってきます。笑

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