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糖質はどこまで制限すれば?

[2017.06.12]

最近ではありとあらゆる食料品に「糖質オフ」「糖質~%カット」「糖質の吸収を抑える」といった文字が躍っています。10年ほど前までは脂肪が悪者だったのに、今ではすっかり糖質が悪者扱いされています。
ダイエットを中心とした、こうした食品の良し悪しの流行り廃りは以前から繰り返されているものです。糖質制限も今に始まったものではなく、アトキンスダイエット(糖質制限を推したアトキンスさんの名前から)の最初のブームはかれこれ何十年も前になります。その後様々なダイエットの流行りがありますが、しばらくは脂質制限が大きな流れでした。
糖質制限の効果は、ダイエットでも糖尿病でも脂質制限に勝るというデータが複数あり、今の時点では良さそうです。ただ、脂質制限が趨勢であった時には、脂質制限が効果的であるというデータがたくさんあったわけで、今後また変化がないとは言い切れません。
糖質制限の良さの一つはわかりやすさにあります。「糖質・炭水化物を減らす」と言われただけで、多くの人がある程度うまく実行できます。そして今の時代はインターネットがあるので、わからなかったとしても簡単に食品の糖質量を知ることができます。
一方で、私たちは普通に食べていると、かなり多くの糖質を摂取することになります。これを急激に減らすとなると物足りない感じが常にしたり、食費がかさんだりといったことが起こります。つまり続けるのが難しいと感じる人が少なくありません。
どこまで糖質を減らしたらよいか。今のところベストなところを言い当てるのは難しそうです。それは人それぞれ活動度が違うことや、インスリン(糖の利用に関係するホルモン)の効きが違うことなどのためです。また食事のたびに食品を測定して食べることは普通はしないので、毎回同じ割合で糖質を摂取するということは不可能で、大抵の人は自分がどのくらい糖質を食べたかということもわからないものです(もちろん食べたカロリーも言い当てられません)。
もし糖質を減らしたいと思うのであれば、それぞれの食品や料理の中に糖質がどの程度入っているかを勉強し、食べるとき(料理を選ぶ段階で)に気づいたものを極力減らすというのが現実的でしょう。意地になって頑張りすぎないことです。完全に排除するのでなくある程度は食べるものだと思って良いでしょう。また糖質カットの表示を健康的なものであると過信しない方が良いでしょう。もともと糖質が少ない食品や飲料の糖質をさらに絞ったところでインパクトは小さいですし、それ以外に入るもの(アルコール、脂質など)の影響をよく見極めなければいけません。
ほぼ完全に糖質を摂らないというダイエットもあり、一部の人は実践しているようです。それを否定するものではありませんが、今までに試みて失敗したからといって落胆する必要はありません。それはあなたが普通の人だということの証左かもしれません。主義主張はそれぞれですが、現段階で多くの人に糖質完全オフを勧めるほどの根拠はなさそうです。(長期のデータを取るにも継続できる人が少なすぎるかも!)また人類が誕生したころの原初の食事がヒトのあるべき食事だ、という主張もあるようですが・・本気で賛同される方はお好きにどうぞ。いろいろな社会生活に参加する時間はなくなりそうですが・・。

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