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糖質制限とかグルテンフリーとか

[2021.05.28]
おコメの消費量が年々減っているとはいえ、白いご飯を1日1回は食べたいという人はたくさんいると思います。ご高齢の人の中には「ご飯とお味噌汁と漬物があればそれで充分」なんて人も少なくないようです。和食のおかずはご飯によく合いますし、中華のおかずにしてもご飯が欲しくなるものばかりです。カレーだってステーキだってご飯と食べたい言う人は多いはずです。

私たちはパンも大好きです。私、というべきか、いやいや皆さんも好きでしょう。街中にはたくさんのパン屋さんを見かけますし、コンビニやスーパーに入れば、実に様々な種類のパンが置かれているのを目にします。みんな朝食や昼食、そしておやつに食べているのでしょう。

麺類だって忘れてはいられません。ラーメン屋はそれこそいたるところにありますし、蕎麦やうどんの店もいつもにぎわっています。イタリアンと言えばパスタは外せません。パスタ専門の店まであるくらいですから。

私たちはこういった炭水化物に囲まれて幸せに暮らしています笑。その誘惑は無視できるようなものではありません。普通に暮らしている多くの人は、1日の摂取カロリーの半分以上を炭水化物から得ています。日本では米を食事の中心と捉える食文化が、少なくともここ数百年続いてきました。保存の問題もあったのでしょうが、味の濃い少ないおかずでいかに美味しくたくさん米を食べるかということが、料理を発達させた原動力の大きな一つだったはずです。また炭水化物を食べるとお腹いっぱいな幸せな気持ちになりますし、野菜やたんぱく質に比べ値段が安く、手に入りやすいということも言えます。

ところが近年、これら炭水化物が完全に悪者扱いされるようになっています。砂糖、小麦粉、白米やイモ類が病気を増やすと言われ、「パンがあなたを殺す」なんていう本まで出されています。炭水化物を食べていると肥満するし糖尿病になるし、集中力も欠くし挙句認知症にまでなると言われています。だから糖質制限しましょうと。

こういった状況から、糖質制限が最も優れた食事法であるかのように思ってしまうかもしれません。しかしながら、糖質制限が最善であるというには証拠がなさすぎです。糖尿病は血糖値が高くなってしまう病気です。血糖値は炭水化物を食べることで上がるので、糖尿病の予防や治療には糖質制限が良さそうな気がします。炭水化物ばかりの食事や、お菓子やジュースをたくさん摂っていれば当然糖尿病は悪化し、そういったものを減らせば糖尿病は改善します。しかし糖質を極端に制限したとしても、しばらくは血糖値も下がるのですが、1年もすると普通に注意している人と差が見られなくなってしまいます。減量に関しても、糖質制限は早めに体重が減っていきますが、最終的には地中海食とそれほど差はなくなります。脂質制限でも体重は減らせるので、個人の相性で食事を選ぶべきなのかもしれません。また糖質制限は脂質異常をもたらすことも多く、結果的に短命になる恐れもあることが言われています。

認知症には脳神経系の”糖化”が大きく関わっているのではないかと最近は考えられるようになっています。糖尿病も認知症を増やしてしまいます。しかし糖質制限が認知症を減らすかどうかはまだ一定の見解を得ていません。また最近の報告では、グルテンフリーは認知機能に良くも悪くも影響を及ぼさないということでした。(グルテンとは小麦に含まれるたんぱく質のこと。近年グルテンフリーが健康に良いのではないかということで流行っていましたが、今のところグルテンにアレルギーのある人以外がグルテンフリーにするメリットはなさそうです。特に子どもにはにはデメリットの方が大きくなる可能性が指摘されています。)

ラーメン+チャーハン!!みたいな食べ方は避けるべきですが、炭水化物を摂取するのに罪悪感を感じるほどのこともなさそうです。どうせ食べるなら楽しく美味しくいただきたいものです。今夜はパスタにしようかな・・
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