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タウリン1000㎎配合!は何のため?

[2025.06.26]
そんなフレーズが昔よくテレビから聞こえていました。最近はほとんどテレビを見ないので知りませんが、今もやっているのでしょうかね?
なんかよくわからないけどすごいものが、すごくたくさん入っているという強烈な印象を与える素晴らしいCMです。でも、「タウリンって何?」と聞かれると、ほとんどの人が答えられないのではないでしょうか。
不思議なもので、当たり前のように言われると、それが本当は何か確かめることもなく、何となく納得してしまう、または説得されてしまうものです。ワシのマークの製薬会社の人には、「何を今さら当たり前のことを」を言われそうで、タウリンの素晴らしさを聞くに聞けない状況が何年も続いています。
当たり前といえば、先日小学生の息子に突然、
「パパ、女子にモテないでしょ」
「な、なんでそんなことがわかった・・いや、まったくモテないということもないかもしれないじゃないか。まだ気付いていないだけで、どこかにファンクラブとかあるかもしれないし・・だいたい、なぜモテないと思うのだ・・」しどろもどろに問いかけると、なぜそんな当たり前のことを聞くのかという表情をして
「だって・・ハゲでブサイクじゃん」だって。いや、俺だって昔は・・と話し始めた時には、もう息子の興味は他へ移ってどこ吹く風。プライドをおろし金で削られるような日々はまだまだ続きそう。
話戻って
タウリンはアミノ酸の一種ですが、蛋白質を合成するすることなく、そのままの状態で存在しています。心臓や骨格筋、脳など体内の多くの組織に見られ、主に細胞の中にあります。細胞の機能を正常に保つことに寄与していると考えられ、また神経伝達にも関係していると考えられています、この他タウリンは胆汁にも含まれており、脂質や脂溶性ビタミンの吸収にも一役買っています。食事から補充もしていますが、体内でも合成しているため欠乏することはあまりないと考えられます。
2023年にタウリンが老化に関係しているのではないかという論文が発表され、一部の科学者(と一部のタウリンファンクラブ)の間で盛り上がりました。その内容としては、タウリンは加齢とともに低下するということと、タウリンの血中濃度が維持されている人は健康的であるというものです。またサルにタウリンの投与を続けると健康的になること、またマウスにタウリンの投与を続けると健康的で寿命も10%ほど伸びるというものでした。
この発表を聞いて、ワシのマークはさぞや喜んだことでしょう。自社製品が健康や寿命を改善する可能性があると言われたようなものです。実験では通常の摂取量以上のタウリンを与えたとなっているので、そこの社員さんは1日に1本と言わず2本、3本とこっそり飲んでいたかもしれません。マークの中のワシさえも少し若返ったように見えました。
ところが最近、これをひっくり返すような論文が同じ科学雑誌に発表されました。それによるとタウリンは普通の健康体では加齢とともに低下はしないというのです(ヒトでもサルでもマウスでも)。また経年的変化よりも個人差の方が大きいため、タウリンの血中濃度で老化を推し量るのは難しいというのです。これを受けて、長生きするためにタウリンのサプリをする必要はないだろうとされていますし、タウリン入りエナジードリンクについてもその効果よりも糖分やカフェインなどによるマイナスの影響を注意すべきという流れになっています。この2年間、コツコツと飲んできた人には非常に残念な結果ですが、不老長寿の妙薬を我々が手に入れるのはまだまだ先ということです・・そんな日は永遠に来ない気もします。
今のところ健康的な食事に勝るものはないのではないか、とどこかの科学者が書いていますが、その通りなのかもしれません。もっともこれで頭の老化(おもに外側の方)が止まるというなら、私はこっそり飲むかもしれませんが。

その日の夜寝るときに、息子に絵本を読んであげていたら、「さっきのことだけど」と息子。
「子どもにはモテなくても、もしかすると大人の中には少しはパパのことを好きっていう人もいるかもしれないよ。だから気にしないで」
「う、うん・・ありがと・・」憐れみが余計につらい・・
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