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院長ブログ

糖尿病なのか 予備軍なのか 知ることが大事(2020.11.17更新)
11月14日は世界糖尿病デーということで、今年もいろんなところが青くライトアップされていたようです。例年であればもう少し多くの報道を目にするところですが、今年は一向に収束しない新型コロナのニュースなどの陰に隠れてしまったようです。(今や新型コロナという言葉は保育園でも普通に使われているようで、ウチの3歳児も、庭を眺めながら「どうして緑の葉っぱがなくなっちゃったのかな。もしかして新型コロナウイルスのせいなんじゃない?」などとニヤリ顔で言っています。) 糖尿病デーは、糖尿病のことをもっとよく知ってもらい、治療や予防に意識を向けてもらいたいという思いから、国際糖尿病連盟が主導してこの日に各国で活動しているものです。糖尿病人口は世界で見ると爆発的に増えており、今後もしばらくは増加の一途をたどることが予想されます。日本でもここ数十年で大きく増えましたが、ここのところは横ばいとなっています。しかし肥満している人は多くはないのに、糖尿病が1千万人、その予備軍が1千万人とその数は決して少ないものではありません。また糖尿病があることに気づいていない人や、診断されているが治療を受けていない人、予備軍であるという意識がない人は相当数いると考えられます。 しばらく前から当院に通院するようになった高齢の男性は、それまで長年近所の内科で降圧薬を処方されていました。「長いこと同じ薬をもらっているだけで、検査もしないし薬も変わらないし特にアドバイスもなかった」というので血液検査をしてみたところ、かなり血糖値が高く、いつの間にか糖尿病になっていたことがわかりました。今までは自分で血圧を測ることもなく、運動することや食事を注意することなど考えたこともなかったそうです。 糖尿病の治療を開始し、血圧の薬も調節しました。何よりもすごいのは、それ以来ウォーキングを欠かすことなく、甘いものも控えるようになり、それが1年以上経った今でも続いていることです。そのおかげでデータもとても安定していて、本人も病気が分かったことをとても前向きにとらえています。 医学誌ランセットには、糖尿病デーに際し、治療や予防に関して簡単にまとめたものが掲載されています。 ・予備軍の人は生活習慣の改善やメトホルミン(糖尿病の治療薬)内服で4割ほど糖尿病への進展を予防できる。 ・肥満の糖尿病患者は大幅な減量でしばらくは治療が不要なほど血糖値が改善する可能性がある。 ・血糖値、血圧、悪玉コレステロールを少しずつでも改善させることで、心血管病や死亡のリスクを減らすことができる。 ・ある種の降圧薬や悪玉コレステロールを下げる薬を使うことで心臓病や腎臓病を減らすことができる。 ・SGLT2阻害薬やGLP1受容体作動薬といった糖尿病治療薬は低血糖なく心臓病や腎臓病を減らす。 このあたりのことを知らずに生活習慣病を治療している医師もたくさんいるようですし、これらをもとに治療を提案してもかたくなに拒む患者さんもいます。しかし、週刊誌がなんと書き立てようと(笑)、現時点ではこれらが医学的な「真実」であると言えます。 まずは自分の血糖値や血圧、コレステロール値がどのような状態にあるのか知ることから始めましょう。治療が必要な状態であれば放っておかず、よく説明を聞いた上で治療を受けましょう。まだ大丈夫と言われた人も、予防のためにできることはやっておくことが結果的には(病気になって治療を受けるよりも)楽で安上がりになるのだと思います。

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